100均グッズを使って道具にお金をかけず釣った魚で美味しい燻製を作る方法【釣り人に役立つ調理の知識】
冬はワカサギ釣りのベストシーズンです。ワカサギ釣りは釣りが初めての方でも手軽に楽しめる上に、コツを掴めば数十匹から時には100匹超えの大漁になる事もある楽しい釣りです。
ワカサギの料理と言えばフライや天ぷらが定番ですが実はワカサギは燻製にすると非常に美味しい魚なのです。ワカサギは小さい魚なので使う調理器具(特に燻製作り器)も小型の物で済みます。
今回は燻製作りの入門編として燻製作りが初めての方でも安価に気楽に挑戦できる方法として、100円均一の商品を利用して作ってみました。今回紹介している方法では、煙も殆ど出ませんので、キッチン等の屋内で調理することも出来ます。
● 燻製作りで大切なのは塩加減と乾燥工程(ワカサギの下準備)
燻製作りの成功の秘訣は塩加減と乾燥工程です。
ワカサギは小さい魚ですが内臓を取り出さずに丸のまま燻製にしますので塩加減はやや濃い目の濃度5%の食塩水に12時間浸けておくのが良いでしょう。例えば小さじすり切り6杯の食塩に水300ccで概ね濃度5%の食塩水が出来上がります。
作る食塩水の量は浸けるワカサギの量を勘案して決めます。水気を切ったワカサギを容器に入れて食塩水を注いだ時に余裕を持って全体が浸る位の量が良いです。
容器ごと冷蔵庫に入れて12時間このまま浸けておきます。尚、浸け時間の長短で仕上がった燻製の塩加減が決まります。今回のレシピは酒の肴を目的にしていますのでやや塩味が強めに仕上がる筈です。12時間を標準時間にして、次回作る時はご自分のお好みで調整するのが良いと思います。
浸け終えたら塩水をよく切ってから乾燥工程へと進みます。
乾燥工程は、完全に乾燥させるわけではありません。正確に言うと半乾燥工程です。この工程で水分が適度に抜けると共に塩が馴染んで旨味が増します。
塩水を良く切ったワカサギをキッチンペーパーを敷いたトレーに並べます。
並べ終えたら上からキッチンペーパーを被せます。
過度な乾燥を防ぐためにトレーごとビニル袋に入れてから冷蔵庫に24時間入れておきます。こうすることで余剰な水分をキッチンペーパーが吸い取ってくれると共に塩が馴染んで半乾きの程良い乾燥具合になります。
24時間後のワカサギは下の写真のように表面にシワが出来てシナシナ程度にまで水分が抜けている筈です。
ここまで出来ればワカサギの下準備は完了です。燻製作りに掛かりましょう。
● 燻製を作る道具は100均グッズを工夫して使う
冒頭でも書きましたように今回は専用の燻製作り器は使用せず全てを100均グッズでまかないます。費用は全部合わせてもホームセンターなどで売っている専用の燻製作り器よりはずっと少ない出費で済むと思います。尚、必ずしも今回紹介している100均グッズと同じ物が入手出来るとは限りませんが、類似の商品は必ずあると思いますので、その時に100均で入手可能な物を見つけて工夫して使う事もDo It Yourselfの観点から楽しい事だと思います。
今回の燻製作りで用意した用具に加工が必要な部分が1箇所だけあります。それは焼き網の隅を下の写真のように曲げて鍋の中に入るようにする事です。加工と言っても大した事ではなく腕力次第ですが素手でも可能な程度の簡単なものです。腕力に自身のない方は100均の工具売り場で一緒にプライヤーなどを買っておけばより簡単に加工できます。勿論、そのまま鍋の中に入る焼き網や鍋があれば加工の必要はありません。
焼き網が加工出来たら網は一時どけておきます。
鍋の中におかず入れ用のアルミカップを置きます。これはお弁当のおかず入れ用の極薄のアルミ箔で出来たカップです。
ここに燻製チップを入れる。直接鍋の中に燻製チップを入れても良さそうな感じもしますが、アルミカップに入れた方が後片付けが断然楽になります。勿論、1回だけの使い捨てなら直接入れても良いとは思いますが、、、鍋は数十回は使えますので1回で捨てるのはチョット勿体ないかも。
先程の焼き網をセットして準備完了です。
ここで燻製作り成功への秘訣をひとつ。焼き網が鍋の中で固定される位置は燻製チップの少し上、鍋の上縁より少し下、要するに鍋の中間に有る事が重要です。今回はテーパー付きの片手アルミ鍋と小型の正方形の焼き網を加工して組み合わせましたが、この辺りの組み合わせは入手可能な鍋と焼き網によって工夫すると良いと思います。例えば、より大きな鍋と脚付きの焼き網を組み合わせるとか。鍋は蓋が出来ることが大切なポイントですので、蓋さえ出来れば鍋である必要も無く、ブリキ製のお菓子の空き缶なども使えるかも知れませんね。
セットした焼き網の上に下準備を終えたワカサギを並べます。
燻製チップから出る煙が魚全体に行き渡るように少しだけ間隔を開けて並べます。
並べ終えたら蓋をしてから鍋をコンロの弱火で加熱します。ガスコンロの他、シーズヒーター等のコンロでも大丈夫です。但し、今回はアルミ鍋を使っていますのでIHヒーターでは加熱することはできません。
蓋をする事で煙はほとんど出ません。燻製チップからの煙の出具合や燻製の進行状況は時々蓋を開けて確認します。燻製チップから煙が出始めたら直ぐに中火から弱火に火加減して、燻製チップからほんわかと煙が出ている程度の状態を保つようにします。燻製チップから勢いよく煙が上がりチップが短時間で黒く炭のようになってしまうのは火力が強すぎる証拠です。特に今回のように小型の鍋を使って行う燻製作りは魚が焦げる、香り良く仕上がらない、等の理由から強火は禁物です。時間を掛けて燻すのが美味しい燻製を作る秘訣です。火加減が上手く行った時は魚は黄金色に色づいていて、燻製チップはコーヒー豆程度の茶色い色になっているが黒焦げの炭状態にはなっていない筈です。
燻製は、作る時の温度によって冷燻、温燻、熱燻と大きく3種類に分類されます。今回の方法で作る燻製は熱燻です。魚の中まで完全に加熱されて、いわゆる火が通った状態で仕上がります。出来上がった燻製はビニル袋に密封してから冷凍しておけばかなりの長期間保存が出来ます。
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