台風10号は九州から関東まで丸4日間もかけて横断?
屋久島や種子島に接近中の台風10号の雨雲
タイトル画像では、台風10号の中心付近の眼が明瞭に分かりますが、雨雲の様子をみても、中心付近がハッキリと分かり、屋久島のすぐ西の海上を北上中であることが分かります。台風10号の中心付近を取り巻く活発な雨雲(スパイラルバンド)がかかり、屋久島町北部付近で午後3時までの1時間に約120ミリの猛烈な雨が降ったとして、記録的短時間大雨情報が発表されました。
特別警報級の勢力で鹿児島県に最接近へ
気象庁から鹿児島県に台風10号を要因とする暴風、波浪、高潮の特別警報が発表されています。台風による特別警報は中心気圧930hPa以下又は最大風速50メートル以上の勢力で来襲する場合となっていて、最新の予報円では、中心気圧は935hPaより深まらないものの、あす29日(木)午前3時までは最大風速が50メートルと予想されていて、特別警報の基準に合致した状態で鹿児島県に最接近する予想です。(関連記事)
なお、その後は徐々に勢力を落とし、あす29日(木)午前9時には、中心気圧940hPa、最大風速45メートル、午後3時には、中心気圧955hPa、最大風速40メートルとなる予想ですが、強い勢力を維持した状態で、予報円の真ん中を進むと、その後、長崎県から熊本県付近に上陸する見通しです。
なお、予報円の東側を進むほど、鹿児島県に接近した状態で北上するため、非常に強い勢力で、薩摩地方に上陸する可能性も考えられる予報円です。上陸するしないにかかわらず、台風の雨や風の一段と激しくなる進行方向の右側(東側)が九州の西岸をなめるように北上するため、特別警報の出ている暴風や波浪、高潮はもちろん、大雨にも最大級の警戒が必要です。(気象庁の台風情報)
九州から関東まで丸4日間もかけて横断?
九州付近に到達した後の予報円には引き続き、不確実性を伴っています。最新の予報円をもとにすると、あす29日(木)午後3時頃、九州付近に近づいた後、関東付近を通過し終わるのが来週の週明け9月2日(月)午後3時となっていて、実に丸4日間もかけて本州付近を横断する予想となっています。
台風10号の構造は比較的コンパクトなため、九州に上陸すると、風の強さのランクが落ち、西日本を通過中に暴風域はなくなり、その後も勢力を弱めながら首都圏に向かってくる予想ですが、活発な雨雲は伴ったまま進んでくるおそれもあり、台風が抜けるまでは、どこで気象災害が発生してもおかしくありません。
今後も台風10号を東へ流す上空の風が明瞭ではないため、西日本からの進み具合にはかなりの不確実性を伴い、来週の週明けでもまだ西日本に留まっているようなモデルも多くみられます。どちらかと言えば、予報円の北側を進めば、偏西風に近く速度を上げる予想がみられる一方、南側を進めば、速度が上がらず、西日本に留まるような計算が多いものの、定かではありません。今後も必ず最新の予報円をチェックして下さい。