ボディーソープで解決?カビの生えた革靴を復活させる方法
こんにちは、おうちクリーニング(洗濯)研究家のハナです。
靴箱にしまっておいた革靴にカビが生えてしまった!とくに梅雨の時期はカビが発生しやすく、あとで気づいてショックをうけることってありますよね!
でも、諦めなくても大丈夫です。革製品についたカビは自宅で取り除ける場合も多いんです。
本日は、ハンドソープやボディクリームなど、自宅にあるものでできる革靴の簡単なカビ除去方法を紹介します。
ちなみに、革靴にカビを生やすところから始めました。
諦めなくても大丈夫!自宅でカビ落とし
革靴に発生するカビは、比較的除去しやすい白カビであることがほとんどです。
お風呂のゴムパッキンなどにつく黒カビはしつこく根を張る性質なので除去が難しいですが、根が浅く革の表面に発生する白カビであれば発見が早ければ簡単に失敗なく取り除くことが可能です。
【難易度:低】 失敗はほぼゼロ!靴ブラシを使った簡単なカビ取り方法
自宅でできる最も簡単なカビ取り方法は靴ブラシを使ってカビを払い落とす方法。
革靴に付着する白カビのほとんどは、ブラッシングだけで解決できることがほとんどです。d
慌てて洗剤をつけてしまう前に、まずはブラッシングを試してください。
靴用のブラシには馬毛と豚毛があり、革製品の表面にできたカビを払うには柔らかくて密度の高い馬毛ブラシが最適。馬毛のブラシならば小さなカビの胞子も残さず払い落せます。
ブラッシングをすると空中にカビが舞ってしまうので、カビを吸い込んでしまわないようにマスクを着用してベランダなどの屋外で試してください。
ただ馬毛ブラシは少々高価。わざわざ高いブラシを購入したくない方は、豚毛ブラシでも代用可能です。
豚毛のブラシなら100円ショップでも手に入ります。
写真のブラシは100円ショップセリアの豚毛ブラシ110円(税込)です。
【難易度:低】カビ臭い場合は風通しのよい場所に放置
ブラシでカビを取り除いたあと、カビ臭さが気になるようなら風通しのよい日陰に放置。
ニオイは揮発性なので、風通しのよいところに放置ておくと一週間くらいで気にならなくなります。
【難易度:高】何度もしつこく生えるカビにはアルコール除菌
ブラシでカビをはらっても、何度も生えてくるようならアルコール(エタノール)を使います。
ただし、アルコール消毒はカビに対して有効ですが、革に脱色やシミなどのダメージを与えてしまうこともあります。
店頭においているアルコール消毒液が革製品に付着してバッグなどが変色してしまったというケースを聞いたことはありませんか?
革製品にアルコールを使用するのは色落ちなどの危険があるんです。
アルコールを使うのは、ブラシではらっても何度もしつこく生えてくるカビに対してのみの緊急処置です。
大切な靴はアルコールを使うよりもクリーニングに出すことをおすすめします。
アルコールを使う場合は、目立たない場所で試して変色などがないか確認するようにしてください。
革靴のアルコール除菌には、ドラックストアで販売されている消毒用エタノールか無水エタノールを使用します。
エタノール濃度が99.5%以上のものを無水エタノールといい、エタノール濃度が80%前後のものを消毒用エタノールといいます。
無水エタノールは濃度が濃すぎるので、無水エタノール8に対して水2の割合で薄めて使います。
ちなみにアルコール除菌シートや除菌スプレーは水分を多く含んでいることから「水ジミ」の原因になることがあり、革製品のカビ取りには不向きです。
柔らかくて乾いた布にアルコールを少量とり、目立たない場所で試し拭きします。
乾いても変色などが見られないようであれば、全体を消毒していきます。
同じように布にアルコールをとり革靴全体を軽く拭きます。
除菌が済んだら、革用クリームで忘れずにケアをしましょう。
ご自宅に革用クリームがなければ、ハンドクリームで代用してもOKです。指先で優しくさするように塗りつけてください。
最後に、乾いた布でササっと乾拭きし、余分なクリームをふき取ります。
向かって右がアルコール消毒してハンドクリームを塗った状態です。
全体にびっしりついた白カビもアルコールでしっかり取り除けました。
革靴を洗う場合はボディーソープがおすすめ
カビ臭さがどうしても取れないときは、革靴を水洗いするという手もあります。
ただし、革製品は水洗いできないことになっている場合がほとんどです。
失敗したら捨ててもいいと思える履き古した靴のみお試しください。
革製品用の洗剤も販売されており、そちらを使う方が安全ですが、ボディソープでも代用可能です。
ボディソープを使った革靴の洗い方
必要なもの:ボディーソープ、やわらいかいスポンジ、乾いたタオル
ボディソープは中性か弱酸性のものを選んでください。
カビは酸性なのでアルカリ系洗剤のほうが効果があるんですが、革の主成分であるタンパク質も溶かしてしまうので使えません。
革製品を洗う場合は、必ず中性か弱酸性のものを使いましょう。
1、洗うまえに中敷や靴紐など、外せるものを外します。
2、ブラシでカビを取り除く
3、人肌くらいのぬるま湯にボディソープを溶かして靴全体を洗剤液につける
革は一部分だけ水に付けると水ジミになるため、水を使う際は思い切って全体をつけることがポイントです。
4、柔らかいスポンジか指先で優しく撫で洗う
5、洗い終わったら泡が出なくなるまで流水でしっかりすすぎます。
7、乾いたタオルでやさしく押さえるように水気を取ります(擦らないよう注意)。
8、完全に乾くまで陰干し。
乾かすときは靴の中に新聞紙などを詰めて型崩れしないように干します。
一度水を使って洗った革製品は、乾燥が足りないとカビが再発しやすくなります。しっかりと時間をかけて乾燥させてください。
完全に乾いたら保湿クリーム(もしくはハンドクリーム)を塗って、最後は乾いたタオルで乾拭きしてツヤを出します。
お手入れの最後に防水スプレー
最後にフッ素系の防水スプレーを使って防水加工します。
防水スプレーにはフッ素加工とシリコン加工の2種類あり、革に使えるのはフッ素タイプの防水スプレーです。
フッ素タイプは水分の侵入を防いで、蒸気は逃がす構造なので革製品のカビ対策にピッタリです。
カビを発生させないためにできること
革製品を長く愛用するためには、カビが発生しないように予防することがなによりも大切です。
着用したあとはブラッシング
一度でも着用した靴には、汚れていないように見えてもほこりや排気ガス、花粉や皮脂などの汚れが付いているものです。
それらをエサにカビが発生しないよう、使用したらブラシで汚れを払っておく習慣をつけてください。
革用クリームは拭き取る
保湿のために革用クリームを塗ることは大切ですが、つけすぎるとそれもカビの餌になります。
そのため、革用クリームを塗ったあとは、乾いた布で乾拭きして余計な油分を取り除くことが大切です。
乾拭きの時に使う布は、柔らかいネル生地か110デニール以上のストッキングなど目の詰まった布がおすすめです。
靴箱には乾燥剤を入れる
湿気対策として靴箱には乾燥剤を入れます。
乾燥剤は「シリカゲル乾燥材」と「塩化カルシウム入り除湿剤」の2種類ありますが、革靴の場合はシリカゲル乾燥剤を使ってください。
塩化カルシウムは革を縮ませる成分なので、革製品には向いていません。また、製品によっては変色や変質の恐れがあります。
雨に濡れたらお手入れ必須
革靴が雨に濡れた場合は、早急に手入れが必要です。
革製品に湿気は大敵なので、そのままにしておくとあっという間にカビが生えてしまいます。
柔らかい布で表面の水分をふき取り、靴の中には新聞紙やキッチンペーパーを詰めて湿気を吸わせます。
あとは風通しの良い場所でしっかり乾くまで陰干しします。
また、雨が降りそうな日はそもそも「革製品を使わない」という選択も大切です。
カビが発生しやすい革を避ける
じつは同じ革靴でも、カビが発生しやすいものとそうでないものがあります。
その違いは、革製品を作る過程の「なめし」の方法にあります。
動物の皮を腐らないように加工することを「なめし」といい、大きく2つの方法があります。
・化学薬品である塩基性硫酸クロムをつかったクロムなめし
・化学薬品をまったく使わずに植物性のタンニン(渋)を使ったタンニンなめし
このうち、カビが発生しやすいのは「タンニン」を使用したなめしです。
本来は防虫・防カビ効果のあるタンニンですが、革本来のナチュラルな素材感を重視するため、表面に顔料などを使用しないケースが多いのです。そのため、水分や油分を吸収しやすく、カビが生えやすい状態となるのです。
お持ちの革靴がタンニンなめしであれば、定期的なお手入れが必要不可欠。
お手入れする自身のない方はクロムなめしの靴を選んだほうが無難です。
革製品はしっかり管理が大切です
革製品やレザー衣類のカビを安全に取り除く方法と予防策について解説しました。
革製品は、他の製品に比べてそもそもカビが生えやすい特徴があります。
保管場所をできるだけ風通しを良くしておくことが、カビの予防につながります。
万が一カビが発生してしまった場合は、あわてずにまずはブラシで取り除くことから初めてください。
なお、アルコールや水を使った方法を試す際は自己責任でお願いします。