「不安症」の不安の現れ方と背景や対処法について解説
こんにちは、精神科医しょうです。
突然ですが「不安症」という言葉を聞いて、どのようなイメージが湧きますか?
「些細なことが気にかかって、なかなか寝付けない」
「人ごみの中を歩くと、心臓がドキドキしてしまって、長い時間外出することができない」
「緊張すると顔が赤くなったり、どもったりしてしまう」
など、いくつか思い浮かべるのではないでしょうか。
不安症にはいろいろな種類がありますが、それら全てに共通しているのが「不安」という症状です。
不安というのは、自分にとって馴染みの少ない環境で、ケガや危険を避けようとする時に働く自己防衛のための本能であり、誰もが抱く当たり前の反応です。
しかし、この不安が大きくなり過ぎたり、繰り返し現れたりすると、日常生活を送る上で支障が出てしまうこともあります。
そこで今回は、不安を感じる背景と「不安症」についての知見を深めたいと思います。
「不安症」の2つの不安の現れ方とは?
不安症は不安の現れ方によって、大きく2つのタイプに分けることができます。
- 不安が突然現れる
- 不安が慢性化した状態
順番にみていきましょう。
不安が突然現れる
一つは、何の前触れもなしに強いパニック発作(不安発作)が起こることが特徴のパニック症が該当します。
パニック発作は、乗り物の中や人ごみの中、お店の中、一人でリラックスしている時など、場所や状況は問わず起こることがあり、激しい動悸や息苦しさ、ふるえ、めまい、しびれ、吐き気など、さまざまな症状が一気に表れ「このままでは死んでしまうのではないか…」と思うほど、激しい不安と恐怖に襲われます。
不安が慢性化した状態
急性の強い発作というよりは、慢性的に不安感が持続するのが特徴です。
次々に不安が出てきて、さまざまな身体症状も表れることもあります。
強すぎる不安により日常生活に支障を及ぼすこともありうるのです。
2つの不安の背景とは?
不安感情が強い人はどのような背景から「不安」を抱くことが多いのでしょうか?
「お金」「人間関係」「将来」「名誉」など、人によってさまざまかと思いますが、ここではわき起こる不安の背景を2つに限定して考えてみましょう。
・完璧主義
まず、一つは完璧主義です。
何ごとも「こうあるべきだ」と執着するところから不安は生まれます。
完璧さに対する欲求は常に満たされることがなく、不完全に終わるため絶えず不安がわき起こります。
こうした不安に対処するためには、物事に対する執着やコントロールしたいと強く思う気持ちが、無意味であることに気づき、考え方を修正していくことが求められます。
あるがまま、ありのままのものとして、受け入れるという生き方が大切でしょう。
・自己愛
強すぎる自己愛が生む不安もあります。
他人の称賛や承認を浴びるような自分でなければダメな人間だと思う心のあり方や、常に相手からの好意的な評価を得ていたいという欲求を持つことによって、不安を感じてしまいます。
こうした不安に対しては、他人の評価に頼らない自分なりの感じ方や、体験を通した感情を大切にしていくことで、常に何かに依存しようとする自分のあり方を修正していくことが求められます。
「不安」を生きるバネにするには?
不安は生きている限り、消し去ることができないものであり、自分の一部のようなものです。
無理に取り除いたり抑圧したりするのではなく、不安をありのまま受容し共存していくことで、成長していくことができるのではないでしょうか。
では、不安を生きるバネにするにはどうしたら良いのか?について、考えてみたいと思います。
・失敗や不安を肯定的に生きる糧にする
人は誰でも、いろいろな事情の中で不安と闘っています。
不安が「不安症」として現れてしまうとつらいだけになりますので、どうせなら、その不安を意味のあるものとして、人生を乗り越えるパワーに変えていきましょう。
悩んだり落ち込んだりした経験は、今後の人生で活かす機会がきっとあるハズです。
不安に悩む自分を積極的に受け入れることで、少しずつ肯定的な見方ができるようになるかと思います。
・不完全でも大丈夫だと受け入れる
もともと何ごとも不完全だからこそ、経験を積み重ね、成長していくチャンスが与えられています。
悩んだり葛藤したりすることで、心は深みを増し、より人生を楽しむことができるようになるのではないでしょうか。
まとめ
今回は「不安症」の2つの不安の現れ方と、不安がわき起こる背景、不安を生きるバネにするにはどうすれば良いのか?について解説をしました。
不安は特定の悩みから漠然としたものまで、広範囲にわたって感じてしまうことがあります。
つらい時期はあるかと思いますが、不安や悩みと共に生きることで、大きな成長につなげていくこともでき、人生を豊かに送る糧にもなるハズです。
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