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【沼津市】解体前最後の2日間 沼津本通防火建築帯見学会が開催されました

NumaLens地域ニュースサイト号外NETライター(沼津市)

沼津市町方町にある沼津本通防火建築帯で2024年8月26日と27日の2日間、見学会が開催されました。「二度と出会えないこんな建物 解体前最後の2日」として、戦災復興から沼津のまちの賑わいを支えてきた建物を見学できる最後の機会となりました。

沼津本通防火建築帯は、昭和28年12月20日に完成した建物です。当時は「全国アーケード建築に一大エポックを画する初めての試み」と報じられたそうです。この建物を建築設計したのは、東京大学生産技術研究所で教授を務めた池辺陽(いけべ きよし)氏、店舗と住居の混在を近代的方法で解決する建物として、昭和29年度には建築学賞を受賞したものです。

しかし時は流れ、老朽化はもちろん、近年の自然災害や耐震建築の検討も行い、地権者や商業者の皆さんで「新しいまちづくり」に向かうべく、市街地再開発事業を推進することを決意、新ビル建築に向けた解体前に一般公開が行われました。

公開初日の26日には、多くの方や報道関係者が集まりました。店舗部分はもちろん、住まわれていた方のご好意で、一部住居部分も公開されました。昭和の面影が感じられる住居が、最後の姿を見せてくれました。

町方町・通横町第一地区市街地再開発組合で理事長を務める水口隆太さんは「私が小さい頃は屋上を三輪車で走ったり缶蹴りや、かくれんぼをして遊びました。屋上でつながった昭和30年代の現代長屋、3軒隣りの家でご飯を一緒に食べたりもしました。でも今は決してセンチメンタルな気分ではなく、これからは安心安全なまちづくりに向かっていけるという気持ち、新ビルが完成したら、昭和とは違った新たなコミュニティを創りたい」とお話し下さいました。

少子高齢化が進む日本社会ですが、時代にあわせて変化していくことについて考えるきっかけになった見学会でした。1階にあった店舗は仮店舗へ移転しており、2028年の新ビルの完成を待つことになります。

沼津本通防火建築帯

静岡県沼津市町方町

地域ニュースサイト号外NETライター(沼津市)

静岡県沼津市に住んで30年。沼津市のまちづくり、ひとづくりに関するイベント、季節の行事などを追いかけています。2024年7月より地域ニュースサイト号外NETライター沼津市担当。

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