2025年度税収は過去最高の見通しの一方、2024年の出生数は過去最少更新の見通し
2025年度税収は過去最高の見通しの一方、2024年の出生数は過去最少更新の見通しとのことです。
来年度予算案、税収70兆円台後半とする方針…6年連続で最高更新の見通し(2024年12月25日 読売新聞)
2024年出生数は70万人割れ、過去最少更新見通し 朝日新聞推計(2024年12月24日 朝日新聞)
朝日新聞によれば、2024年に国内で生まれた日本人の子どもは、68万7080人と推計され、23年の出生数(確定値)の72万7288人に比べて40197人、5.5%程度減少する見通しであり、1899年の統計開始以来、初めて70万人を下回る見込みとなりました。
こうした状況では、2023年4月に設置されたこども家庭庁は、直接的に出生増を目的とはしていないとは言うものの、その存在意義が問われると言わざるを得ません。
こども家庭庁設置法(e-Gov 法令検索)
国立社会保障・人口問題研究所「将来人口推計」で日本人の出生数の動向を見ますと、出生中位推計(死亡中位)では、2024年の推計値は75万5263人となっており、実績見込みより6万8183人過大推計されています。中位推計で出生数が70万人を下回るのは2038年、68万人台となるのは2039年と見込まれているので、現状は政府の推計より15年先んじた動きとなっています。
また、出生低位推計(死亡中位)では、66万8324人であり、低位推計が現状に近い推計となっていることが分かります。
つまり、日本人の出生数の現状は、政府が期待したような中位推計よりは15年先を行っており、低位推計に近い動きを示している訳です。
ちなみに、コロナ禍以降の出生数の減少トレンドが続くとして単純に機械的に計算すれば、2025年の出生数は65.0万人、26年61.1万人、27年57.1万人、28年53.2万人と低位推計すら下回ることになります。
まさに日本の少子化は底を突き抜けた感じになる訳で、現状の異次元の少子化対策は異次元の少子化促進策として機能しているようにも見えてしまいます。
このままのペースで少子化が続けば、賦課方式の公的年金制度をはじめとする社会保障制度はもとより、日本の経済・社会はとても持ちこたえることはできないでしょう。
子ども・子育て支援金に代表されるように「給付するために負担を増やす」現在の異次元の少子化対策の方向性が適切なのか、一度立ち止まって検証する必要性があるように思いますが、読者の皆さんはいかがお考えでしょうか?