このチームは防御率2点台の投手が30年も不在。ようやくブランクに終止符が打たれる!?
今シーズン、カイル・ブラディッシュ(ボルティモア・オリオールズ)は、29試合の先発マウンドに上がり、166.2イニングを投げて防御率2.86を記録している。
過去30年間、オリオールズには、規定投球回以上で防御率3.00未満の投手がいなかった。1992年に防御率2.52を記録した、マイク・ムシーナが最後だ。
このブランクは、どのチームよりも長い。次に防御率3.00未満が途絶えているカンザスシティ・ロイヤルズでも、ザック・グレインキーが2009年に防御率2.16を記録しているので、オリオールズのブランクとはかなりの差がある。グレインキーは、2010年のオフにロイヤルズを去り、5チームを経て、昨シーズンから再び、ロイヤルズで投げている。
1993~2022年のオリオールズは、防御率3.30未満も延べ4人。それも、1994年に防御率3.06のムシーナ、1995年に防御率3.29のムシーナ、1997年に防御率3.20のムシーナ、2007年に防御率3.16のエリック・ベダードだ。
ちなみに、ムシーナは殿堂入りしている。20世紀はオリオールズ、21世紀はニューヨーク・ヤンキースで投げた。
ブラディッシュは、今シーズンがメジャーリーグ2年目だ。2018年のドラフトで、ロサンゼルス・エンジェルスから4巡目・全体121位指名を受け、翌年12月、ディラン・バンディの交換要員として、他3投手とともにオリオールズへ移籍した。
今シーズン、オリオールズは、すでにポストシーズン進出を決めていて、あと1勝を挙げると地区優勝が決まる。もしかすると、ブラディッシュが次に投げるのは、ポストシーズンかもしれない。だが、ローテーションどおりなら、レギュラーシーズン最後の10月1日に登板する。
その場合のイニングと自責点による、シーズン防御率は以下のとおり。
自責点が2以下であれば、イニングに関係なく、防御率は3.00未満となる。一方、自責点が6以上だと、9イニングを投げても防御率3.00以上。1.1イニングで自責点3、4.1イニングで自責点4、7.1イニングで自責点5は、いずれも防御率3.00ちょうどだ。