2015年、印象に残ったライヴ10+1
2015年良かったライヴ10/136 アーティストとスタッフに拍手!!
2015年もたくさんの素晴らしいライヴを観ることができました。ベテラン、飛ぶ鳥を落とす勢いのバンド、アイドル、新人、デビュー前の新人、インディーズ、フェス…ライヴハウスからドームまで様々なライヴを観ること136本。もちろん観ていないライヴもたくさんあって、その中で印象に残ったと言われても説得力がないかもしれないし、個人的趣向も若干影響しているので、悪しからず。でもどのライヴもアーティスト本人、スタッフがお金と時間をかけ、とことん情熱を注ぎこんだもの。敬意を表す意味でも、やはり印象に残ったライヴの事は記し、記憶に残しておきたいと思ったのでピックアップします。改めて、音楽が持つパワーって本当に素晴らしい!
◆ポール・マッカートニー「OUT THERE JAPAN TOUR 2015」(4/27東京ドーム)
もう観ることができないかもしれない――そんなどこかせつない想いを抱えながら向かった東京ドーム。やはり一番多感な時期に聴いていたアーティストのライヴは特別で普遍的だ。当時、ビートルズよりもWINGSの曲に心酔していたため、「Another Day」を歌ってくれた時は涙が溢れてきた。ふと隣を見るとひとりで観に来ていた、60代とおぼしき女性がハンカチでそっと目元をぬぐっていて、それを見てまた感動した。素晴らしいミュージシャンの音をバックに、72歳(‘15年4月当時)の御大は、ほぼ全曲オリジナルに近いアレンジ、キーで聴かせてくれ、声も素晴らしく出ていて、さすが世界最高のエンターテイナーだった。「きっとまた来てくれる」、そう感じさせてくれたライヴだった。
◆サザンオールスターズ「サザンオールスターズ LIVE TOUR 2015”おいしい葡萄の旅”」(5/26東京ドーム)
年末の9年ぶりのカウントダウンライヴ(横浜アリーナ)を観て、国民的バンドが国民的バンドである所以を改めて肌で感じ、東京ドーム公演も観たい!と強烈に思った。3月にリリースした15枚目のアルバム『葡萄』が素晴らしい内容で、自ずとライヴも“これは誰も叶わない”と思わせてくれる程の感動を与えてくれた。キャリア37年、でもキャリア関係なく、とことんお客さんを楽しませようとする桑田佳祐の“サービス精神”が胸に響いた。あらゆる世代の人が笑顔で、時に感動の涙を流し、それだけでサザンオールスターズが今まで積み上げてきた時間の凄さを目の当たりにできた。ポール・マッカートニーの武道館ライヴも観たかったが、サザンの武道館も観たかった…。
◆UVERworld「UVERworld KING’S PARADE at Yokohama Arena」(1/10横浜アリーナ)
UVERworld通算7回目の「男祭り」は過去最大、1万2千人の男どもが横浜アリーナに駆けつけ、正真正銘の満杯。2013年末の日本武道館での「男祭り」でのメンバーとファンの約束が、381日目に果たされたわけだ。双方とも気合十分。放たれる音と歌を、ファンは正面から受け止め、それをまたステージへ返す。そこに生まれるのが感動だ。その情熱と感動で横浜アリーナが揺れた。最後はファン全員が肩を組み、涙を流しながら大合唱という、メンバーも感動した「音楽で一つになる瞬間」だった。2015年、UVERworldのライヴはこの他にも対バンも含めると7本観たが、どれもとにかく熱い何かを残してくれた。新年一発目のこのライヴでメンバーが感じた熱さ、得た感動がUVERworldというバンドにまた新たな武器を与えたような気がしてならない。
情熱が全てを凌駕する――デビュー10年、今もファンを増やし続けるUVERworldの熱く強い言葉
◆aiko「Love Like Aloha vol.5」(8/30サザンビーチちがさき)
3年ぶりのアロハはさらにパワーアップ、スケールアップ。フリーライヴなのに、まるでアリーナ仕様のような立派なステージを組み、照明、映像も感動的だった。セットリストも、みんなが聴きたいと思っている曲で構成され、懸命に歌うaiko。スタッフの心意気とaikoのサービス精神に、誰もが大満足したはず。 4、7、8月のZeppTokyo、12月の横浜アリーナでのライヴも心に残る本当にいいライヴだった。
◆「テレビ朝日ドリームフェスティバル2015」(11/23国立代々木競技場第一体育館)
X JAPAN、aiko、関ジャニ∞、キュウソネコカミ、椎名林檎、凛として時雨というラインナップの豪華さに圧倒され、短い時間の中でそれぞれの素晴らしさをきっちり伝える“高度な術”に改めて感動。関ジャニ∞の“バンド力”が素晴らしかった。そして各バンド、アーティストを支える名ドラマーの競演に心躍らされた。
関ジャニ∞がロックバンドとして見せたプライドと自信--『ドリームフェスティバル』で残した爪跡
◆「本間祭2015」(11/27NHKホール)
こちらも豪華アーティスト、ミュージシャンが弾き出す音に感動。幸せな時間を提供してくれた。音楽プロデューサー・本間昭光の生誕50周年を記念して行われたこのイベントには松任谷正隆、武部聡志、島田昌典、亀田誠治という、日本を代表するプロデューサー陣が集結し、ポルノグラフィティ、いきものがかり等と共に素晴らしい演奏を披露してくれた。
音楽プロデューサー・本間昭光の音楽はなぜ人を惹きつけるのか--晩秋の奇跡のセッション「本間祭」を観て
◆Jun.K「Jun.K(from2PM)Solo Tour2015“Love Ltter”」(11/15幕張メッセイベントホール)
人気K-POPグループ2PMのリードボーカル・Jun.Kのソロライヴは、去年も“良かったライヴ10”に入っていて、彼はもうK-POPとかなんとかを抜きにして素晴らしい“音楽家”。極上の声質、圧倒的な歌のうまさ、ブラックミュージックの影響を多分に受けた美メロ&コーラスワークにとにかく感動。
【インタビュー】K-POPという枠を飛び越えて Jun. Kという名の才能が奏でるグッドミュージック
◆ゲスの極み、乙女。「ゲス乙女集会vol.4~幕張編~」(6/21幕張メッセイベントホール)
4人が弾き出す音は同期なしで、それぞれの音がまっすぐクローズアップされ、繊細なんだけどダイナミックな演奏を堪能。ゲストコーラスも3人従え、キャッチーなメロディが豊潤さを湛えて伝わってきた。2015年最も聴いた曲のひとつ「私以外私じゃないの」は名曲。
◆さかいゆう「さかいの湯Vol.3“さかいゆうといっしょ”スペシャル」(3/13EX THEATER ROPPONGI)
さかいゆうがLittle Glee Monster、土岐麻子、ライムスター、日野皓正という、多彩なゲストを迎えて、高度な“化学反応”を見せてくれた。さかいがこだわりにこだわった音、演奏の素晴らしさと、ゲストを盛り立てつつもそこに自分の音楽をきっちり、印象的に乗せてくる才能、恐るべし。12月の中野サンプラザライヴでも、最高に気持ちいいグルーヴを感じさせてくれた。
◆「イナズマロックフェス」(9/20滋賀・草津市烏丸半島芝生広場)
T.M.Revolution西川貴教主催のフェスも今年で7回目。出演者も絶賛する素晴らしいロケーションが◎。まずその美しさ、居心地の良さに気持ちが上がる。9月20日(2日目)に参戦。[Alexandros]、UVERworld、AKB48、キュウソネコカミ、超特急、T.M.Revolution、BACK-ONというラインナップ。このフェスは、地域とイベントを最大限に融合させることに成功していて、自治体、住民に計り知れない影響を与えている。
T.M.Revolution西川貴教主催「イナズマロック フェス」が示す、地方フェスの在り方
◆フランク・ワイルドホーン「フランク・ワイルドホーン&フレンズ ジャパンツアー」(12/27東急シアターオーブ)
世界的作曲家・フランク・ワイルドホーンと、腕利きのミュージシャンとが奏でるミュージカルの数々の名曲を、ヨーロッパとブロードウェイのミュージカルスターが歌うというなんとも贅沢なプログラム。いつも行っているロックやポップスのライヴとは、やや趣が異なるが、でも「楽しい」と思わせてくれる音楽という共通言語の素晴らしさを、年末改めて感じさせてくれたライヴ。
●番外編 Anly(6/24下北沢LOFT)
久々に、デビュー前の新人のライヴを観て“衝撃”を受け、思わず即売のCDを買ってしまった。Anly、いきなりブルース。彼女がアコギを爪弾き、ひと声出した瞬間、空気が変わった。お客さん、関係者の気持ちがひとつになって、彼女に吸い寄せられるのがわかった。凄いものが観られるぞという期待感。18歳女子でこんなにギターが上手い人、初めて見た。圧巻&安定感あるボーカル。ブルース、ポップス、ロック、その表現力にも驚かされた。末恐ろしいシンガー・ソングライターが現れた。