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暖かい日曜日と寒い週明け以降

饒村曜気象予報士
結露した窓ガラス(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)

暖かい日曜日

 11月24日(日)は、東シナ海を東進している低気圧の影響で、西日本はくもりや雨となり、太平洋側では雷を伴った激しい雨が降る可能性もあります。

 この低気圧は、台風27号から変わった熱帯低気圧が、さらに温帯低気圧に変わったもので、南からの暖気と水蒸気を西日本に持ち込んでいます(図1)。

図1 地上天気図と衛星画像(11月24日3時)
図1 地上天気図と衛星画像(11月24日3時)

 また、日本の東海上の高気圧の周囲を回り込むように、東から北日本に暖気が流入する見込みです。

 関東から東北地方太平洋側では、雨が降り続いていますが、前日までの冷たい雨と違い、気温があがってきましたので、温かい雨となるでしょう。

 気象庁が行っている全国171地点の最高気温の予報では、11月24日で一番高いのが沖縄県南大東の29度、名護の28度など、南西諸島や小笠原諸島の11地点(全国の7%)で夏日(最高気温が25度以上)を予報しています。

 また、静岡県浜松や三重県尾鷲で最高気温が24度など、98地点(全体の57%)で20度以上という予報になっています。

 晩秋から冬にかけての気温としては、かなりの暖かさです。

 雨が降っていない、あるいは、雨が止んだ地方では、今年最後の短い行楽日和といえそうです。

 というのは、週明け以降は寒気が南下し、それが長続きする見込みだからです。

週明け以降の寒気

 週明け以降の寒気の南下は、29日(金)がピークです。

 平野部でもまとまった雪となる強い寒気の目安は、上空約5500メートルで氷点下30度ですが、この氷点下30度の寒気は、東北北部まで南下してきます(図2)。

図2 上空約5500メートルの気温分布図(11月29日朝)
図2 上空約5500メートルの気温分布図(11月29日朝)

 また、大雪の目安となる、上空約5500メートルで氷点下36度の寒気は、北海道北部に入ってきます。

 札幌では、24日に暖気が入って15度近くまで最高気温が上昇した後、週明けには一気に気温が下がる予報です(図3)。

図3 札幌の最高気温の予想の最大値と最小値(11月24~30日は気象庁、12月1~9日はウェザーマップの予報)
図3 札幌の最高気温の予想の最大値と最小値(11月24~30日は気象庁、12月1~9日はウェザーマップの予報)

 札幌の最高気温の予報の最大値をみても、週明けの25日(月)に気温が5度まで下がった後は、10度までは上昇しません。

 予報の最小値であった場合は、最高気温が氷点下の日(一日中氷点下の日)、つまり真冬日が出現するようになります。

 東京でも傾向は同じです。

 ただ、週明けの寒気南下は主として北日本までですので、札幌よりは日曜日と週明けの月曜日以降の差は小さくなります(図4)。

図4 東京の最高気温の予想の最大値と最小値(11月24~30日は気象庁、12月1~9日はウェザーマップの予報)
図4 東京の最高気温の予想の最大値と最小値(11月24~30日は気象庁、12月1~9日はウェザーマップの予報)

 そして、最高気温の予報の最小値であった場合は、東京でも最高気温でも10度以下という寒い日が続くことになります。

 週明けは、暖かい服装でのお出かけが必須です。

図1、図2の出典:ウェザーマップ提供。

図3、図4の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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