「日本代表は勝っちゃうしで、残念」日本共産党の羽鳥だいすけ中野区議がサッカーW杯批判して炎上→謝罪へ
11月24日、日本共産党の羽鳥だいすけ中野区議会議員が、サッカーW杯カタール大会で日本代表がドイツに勝ったことに対して「残念」とツイートしたことで炎上しました。
人権問題に消極的な「日本代表は勝っちゃうしで、残念」?
羽鳥議員は11月24日、毎日新聞の「ドイツ代表、試合前の写真撮影で口塞ぐ 腕章禁止に抗議」の記事を引用RTするかたちで以下のようにツイートしました。
記事はドイツ代表の選手たちが、多様性などを訴える腕章の着用を禁じた国際サッカー連盟(FIFA)に抗議するため、試合前の写真撮影時に口を塞ぐポーズを取ったことを取り上げたものです。
一方、日本代表はそのような抗議はしておらず、人権問題についても日本サッカー協会の田嶋幸三会長が「今サッカー以外のことでいろいろ話題にすることは好ましくない」と発言していたことから、「人権問題に消極的だ」と批判する声が出ていました。
これらの情報をあわせて考えると、羽鳥議員は「人権問題に抗議しているドイツ代表が負け、抗議していない日本代表が勝ったことが残念だ」との意味で問題のツイートをしたものだと思われます。
日本共産党所属の別議員が発言を擁護し、さらに炎上へ
しかしながらというか当たり前の話ではあるのですが、「日本が勝って残念だ」としか受け取れないツイートは見事に炎上します。
「安定の共産党」、「共産党の存在そのものが残念」、「日本に対するヘイトスピーチ」、「日本が勝ったことを喜べない人がなんで政治家やってるの?」など、羽鳥議員が日本共産党の議員であることもふくめて批判が殺到しました(SNSや掲示板では共産党所属という属性があると炎上しやすいです)。
また、こうした批判が相次いでいる状況のなか、共産党所属の町議が「同意します。私も本当に残念でした」とツイートしたり(現在は謝罪して削除済み)、別の市議が「皆が日本代表の試合結果に、一斉に同じ反応をするのが怖かった」とツイートしたりしたことから、共産党全体への批判が大きくなっていきました。
そして羽鳥議員も批判ツイートをキャプチャした画像を並べて「『日本代表を応援し、その勝利を喜んでいなければ日本人に非ず。そう考えてないなら黙っていろ』という空気の中で、『日本が勝ってよかった』とはとても思えません」と開き直りとも取れるツイートをしたことから、炎上がさらに広がる流れとなりました。
「『日本代表が勝って残念』という言動は間違いでした」と謝罪
しかしその数時間後、羽鳥議員は「『日本代表が勝って残念』という言動は間違いでした。申し訳ありません」と突然謝罪しました。
批判の声が届いたのか、知人などから助言があったのかはわかりませんが、結果として日本共産党の評判を大きく下げるだけの発言でしかなかったと言えるでしょう。
政治家はTwitterの使い方をもっと勉強した方がいい
ここまでの流れを見るかぎり、羽鳥議員が人権問題を強く意識していること、そんなドイツが負けて残念に思っていることは筆者としては理解できます。
ただ、言い方というか発言には問題があります。
「ドイツが負けて残念だ」と「日本が勝って残念だ」は同じような意味に思えるかもしれませんが、前者はドイツが負けて悔しがっているだけなのに対して、後者は日本が勝って喜んでいる人たちにも不満をぶつけるかたちになっています。
同じように見えて、相手に伝わる意味は違うんです。しかも、ここは日本。炎上する以外の未来が見えません。
また、一連の発言について羽鳥議員が「この意見も前の意見も私個人の意見です」と言ったり、日本共産党の宮本徹衆議院議員が「一個人の見解を日本共産党の見解であるかのように、描くのはフェイクそのもの」とツイートしたりしていますが、この主張も通りにくいです。
「個人の意見」にしたいのであれば、所属政党を名前やプロフィールに記載するべきではありません。
「※この発言は個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません」はいまの日本のTwitterでは通用せず、これまでの炎上事例を見るかぎりでは、炎上した人物のプロフィールに企業名などの所属が書いてある場合はそこにクレームが殺到しています。
所属する議員がTwitterアカウントを運営する場合は、個人としてのアカウントと議員としてのアカウントを分けるべきでしょう(と言っても別個のアカウントを紐づけて批判が起きることが多いため、容易に特定できる場合は個人アカウントだとしても議員として見られていることを心がけた方が良いです)。
羽鳥議員の一連のツイートは、筆者からすると逆張りによる炎上にしか見えませんでした。個人のライターやブロガーがやるならともかく、基本的に炎上商法は自分や所属する党に対してマイナスの影響しか及ぼさないため、これを機にネットリテラシーを高めて欲しいものです。