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大河ドラマの登場人物の情報をリフィル一人1枚にまとめる。システム手帳で「鎌倉殿の13人」を楽しもう!

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手

え、13人もいるの?

 というわけで、みなさん、NHKの大河ドラマ見てますか?

 今年の大河ドラマは『鎌倉殿の13人』。この時代が舞台になるのは、『平清盛』以来でしょうか。 脚本は、『新選組!』『真田丸』に続き大河ドラマ3度目の執筆となる三谷幸喜。

 主人公は小栗旬演じる北条義時。鎌倉幕府第二代執権です。この義時が、伊豆にながされていた源頼朝を支え幕府を開くのに尽力。同時に他の12人と協力したり反目したりしてドラマが展開していくらしい。やがて頼朝は他界。北条家は執権として実権を握っていく。

 とまあ、鎌倉時代の歴史には比較的うとい私でも、そんなアウトラインはなんとなく把握しています。

 していますが、なにしろ登場人物がわからない。

 まずタイトルに入っているだけで13人。これは頼朝を支える13人らしいです。この13人も、私には知らない人ばかりでした。ここに平清盛や後白河法皇、源義経らは含まれていません。頼朝プラス13人プラス平清盛、後白河法皇、源義経・・・。もうついていけないですよね。
 ましてや、時代になじみがなく、源氏平氏の複数人の誰が誰だかよくわからない。

 そこで、システム手帳を使いましょう。具体的には、登場人物一人を1枚のリフィルにまとめるのです。そうすれば、まず頼朝プラス13人は把握できる。そしてそれ以外の人物もどんな人だかがわかってくる。
 さらに、人物同士の関係もリフィルをまとめたり離したりで、理解できる。

 こんにちは。デジアナリスト・手帳評論家の舘神龍彦(たてがみたつひこ)です。

 今回は、システム手帳で大河ドラマを楽しむ方法を紹介しましょう。

一人1枚情報をまとめる

 システム手帳は、最近文具好きの間で再び脚光を浴びているバインダー式の手帳です。で、手帳と言いながらもスケジュール管理以外の用途もあります。
 それが情報の整理です。
 まずシステム手帳のメモ用リフィル1枚に1項目のテーマを決める。そして情報をそこに蓄積していくような方法です。
 これはもともと、『知的生産の技術』(梅棹忠夫 岩波新書)が、情報カードを使って提唱した方法です。そして、システム手帳のメモ用リフィルもこの情報カードとして利用できます。それゆえこういう利用ができるわけです。
 だから今回はこの方法の応用です。

 ともあれ、この方法は意外と今回の大河ドラマを楽しむ上では効き目があるのではないかと思っています。

 では、作り方を解説していきましょう。

まず名前を入力

 私がまずやったのは、源頼朝と13人の名前、およびその演者を入力することでした。ざっと以下のような感じです。

  • 源頼朝(みなもとのよりとも)
    演:大泉洋
  • 北条義時(ほうじょうよしとき)
    演:小栗旬
  • 比企能員(ひきよしかず)
    演:佐藤二朗
  • 梶原景時(かじわらかげとき)
    演:中村獅童
  • 北条時政(ほうじょうときまさ)
    演:坂東彌十郎
  • 八田知家(はったともいえ)
    演:
  • 足立遠元(あだちとおもと)
    演:
  • 和田義盛(わだよしもり)
    演:横田栄司
  • 中原親能(なかはらちかよし)
    演:
  • 二階堂行政(にかいどうゆきまさ)
    演:
  • 大江広元(おおえひろもと)
    演:栗原英雄
  • 三浦義澄(みうらよしずみ)
    演:佐藤B作
  • 安達盛長(あだちもりなが)
    演:野添義弘
  • 三善康信(みよしやすのぶ)
    演:小林隆

 念のために書いておくとと「演: 」となっているのは、1月中旬時点でキャストが発表されていない登場人物です。

 次にこれをワープロソフトにコピペします。さらに、用紙設定をします。これはバイブルサイズのシステム手帳のリフィルサイズにしましょう。すなわち横95mm×縦171mmに設定します。そして一人の情報を1枚ずつに貼り付けていくわけです。こんな感じです。

ワープロソフトに「鎌倉殿の13人」登場人物の名前を入力したところ。バイブルサイズのシステム手帳リフィルのサイズで用紙設定をしてある。
ワープロソフトに「鎌倉殿の13人」登場人物の名前を入力したところ。バイブルサイズのシステム手帳リフィルのサイズで用紙設定をしてある。

 で、可能なら役者の似顔絵なり、写真なりも入れてもいいかもしれません。これも念のために書いておくと、公式サイトなどにある写真を入れたリフィルは個人で使うのはともかく、権利上の理由でネットにはアップできません。
 これをプリンターを使って印刷し、バインダーにセットすれば準備完了です。

 で、もし可能なら歴史上の生没年や、役職なども書いておくといいかもです。こういう情報を調べるには、「歴史手帳」(吉川弘文館)が役立ちます。

 たとえば、北条義時の役職は鎌倉幕府二代目執権です。もっともドラマ開始時点では、まだ鎌倉幕府は開かれていません。

毎週情報を追加していこう

 そして、毎週情報を追加していくのがいいと思います。
 たとえば、現時点での最新話である第二話では、頼朝がある大きな決意をします。またそれに義時が心を打たれるような描写があるわけです。
 ドラマ上の大きな動きを例えば、頼朝のリフィルに以下のように書きます。
 (第一話もかんたんにまとめておく)
 第二話:自分の決意を表明。義時を一気に説得する。

 (※どんな決意なのかは、ネタバレになるのでここでは控えます。まだ見てない人は、土曜日午後の第二話の再放送で確認できます)
 一行でまとめてありますが、何行書いても大丈夫です。情報が増えたときのやり方は後述します。

週ごとのストーリーや重要人物も1枚ごとに

 北条政子は13人のうちには入りませんが、重要な人物です。後世、尼将軍とも呼ばれるからです。また、政子の弟・義時は今回の主役です。そして、なにしろ北条家が執権になるための大きな鍵だった人なので、北条政子もリフィルにしておくといいかもです。同様に後白河法皇、源義経、平清盛や、第二回に登場した大庭景親も、今後の動向を考えると、1枚にまとめておくといいかもしれません。

 各登場人物の情報が増えていき、リフィルの表裏が埋まった場合は2枚目を用意しましょう。

三谷幸喜が仕掛けた伏線がどのように回収されるかを見抜く

 で、感想とかポイントもかいておくといいかもです。
 ましてや今回の脚本は三谷幸喜です。思わぬ行動が思わぬ伏線になっていることも三谷脚本ではよくある話。1年の長丁場の間に、どんな伏線がどのように回収されるのか。  

 これは登場人物ごとのできごとをリフィルに記録すると、より見つけやすくなるかもしれませんよ。

リフィルの情報を参照しながらドラマを楽しむ

 NHKの大河ドラマは、良くも悪くも普通のテレビドラマとは違います。

 まず時代設定が大昔。昨年の『青天を衝け』ですら、明治時代です(昭和のオリンピックをテーマにした『いだてん』のは例外中の例外でしょう)。その時代の習慣とか文化が、現代とはまったく異なります。また登場人物も実在の人が多いとは言え、やはり知らない人が多い。戦国時代ならばなんとかわかりますが、鎌倉時代に詳しい人の数は限られているでしょう。
 だから視聴者の知識を補うために、NHK出版から公式ムックが毎年発売されています。
 これを見れば登場人物と配役がわかります。脚本家のインタビューや、第一話の脚本、それに時代考証や衣装担当のスタッフの狙いなども出ています。
 これはこれでおもしろいのですが、テレビを見ながらページをめくるのはなかなか慌ただしい。
 なので、リフィルにまとめるわけです。
 で、上の方では、毎週登場人物の情報を書き加えましょうと書きましたが、リフィルを作るだけでもいいです。手書きでも大丈夫です。これだけでも、登場人物の全体像がなんとなくわかります。

 というわけで、今度の日曜日は第三話。
 はたして、頼朝の、そして義時の運命やいかに!?

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は週刊誌の書評欄総ナメ。日経新聞「あとがきのあと」登場ほか大学受験の問題に2回出題。『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。認知症対策プロダクト「おぼえている手帳」は経産省オレンジイノベーションプロジェクト事業採択。

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