世界のほぼ3人に1人がソーシャルメディアを利用、広告収入FBがダントツ
米国の市場調査会社、eマーケターがこのほど公表したリポートによると、フェイスブックをはじめとするソーシャルメディアの今年の世界利用者数は、昨年から9.2%増加し、23億4000万人に達する見通し。
この数は世界人口の32.0%と、ほぼ3人に1人になり、世界のインターネット人口の68.3%に上るという。
そして、ソーシャルメディアの利用者数は今後も伸び続け、2020年には29億5000万人と、インターネット人口の70.7%を占めるまでになると、eマーケターは分析している。
モバイルユーザーが成長を支える
同社がその成長を支えると見ているのは、携帯電話でソーシャルメディアを利用する人々だ。
中国、インド、ブラジル、メキシコとった国々では、携帯電話のメッセージサービスが普及しているが、そうした国では携帯電話を使ったソーシャルメディアの利用も多いという。
こうした携帯電話経由のソーシャルメディア利用者数は昨年時点で16億6000万人だった。これが今年は12.8%増の18億8000万人となり、ソーシャルメディア利用者全体の80.2%に達すると同社は見ている。
さらにこの比率は2020年に85.9%になるという。
同社によると、アジア太平洋地域や、中南米、中東、アフリカでは、スマートフォンの低価格化が進んでいる。またWi-Fiサービスが普及しているほか、3G、4Gの携帯電話通信サービスも広がりつつある。
そうした中、携帯電話を使って初めてインターネットにアクセスするという人が急増しており、これらの人々がソーシャルメディアの新たな波になると、eマーケターは指摘している。
フェイスブック利用者数、2020年には18.7億人に
また、eマーケターが今年4月に公表していたリポートによると、フェイスブックの今年の利用者数は14億3000万人になる見通しだ。
フェイスブックを国に例えると、同社は世界の大国であり、その規模は今後も拡大が続くばかりだとeマーケターは指摘。2020年にはその利用者数が18億7000万人に達すると同社は見ている。
フェイスブックの広告収入、業界断トツ
これに伴い、フェイスブックは広告収入も業界最大となっている。
その昨年1年間の金額は170億8000万ドル(約1兆7170億円)で、eマーケターが昨年公表していた予測値である162億9000万ドルを上回った。
なおeマーケターが昨年公表していたソーシャルメディア別広告収入の予測値は、フェイスブックのあと、米ツイッターの20億3000万ドル(約2040億円)、米リンクトインの9億3000万ドル(約934億円)と続いていた。
そしてフェイスブックの広告収入は、今年223億7000万ドル(約2兆2488億円)に、来年は281億7000万ドル(約2兆8319億円)へと拡大するとeマーケターは予測している。
(JBpress:2016年7月6日号に掲載/原題「世界のほぼ3人に1人がソーシャルメディアを利用 2020年には利用者数が29.5億人に達する見通し」)