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太麺の醤油ラーメンという個性〈福岡の麺文化とも共鳴する意外性〉開業半年が過ぎても変わらずの人気を誇る

RAMEN ANTENNAラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

今年の1月、福岡県福岡市南区井尻の西鉄天神大牟田線「井尻駅」のすぐ目の前に開業。7月中旬でちょうど半年を迎えた〈福岡太麺 NO RAMEN〉。ご主人の出身は、福岡市中央区の渡辺通にある「天神本店」を筆頭に、天神のファッションビルの地下や博多駅構内にある博多めん街道内の店舗でも、いつも行列の絶えることのない人気店「麺や兼虎」。その人気店で培ったノウハウを活かし、非豚骨の「醤油ラーメン」にして、麺は「太麺」という、福岡では突き抜けた個性と存在感で、新たな価値のあるラーメンを提供するお店を立ち上げた。

通常、福岡のラーメンと言えば、豚骨のスープに細めのストレート麺でいただくというイメージが根強くある中で、醤油のベーススープに「極太麺」となると、本来なら真逆の価値観のように捉えらそう。ただ、福岡という土地柄をよくよく考えてみれば「うどん文化」が根付いた地域(実際にラーメン店よりもうどん店の数の方が多いという統計がある)であるため、うどんの太麺に、醤油や和出汁といった麺文化も、そもそもとして馴染んでいる場所(ラーメン好きと変わらないか、それ以上に「うどん好き」の方が多い土地柄)。そんな麺文化を下敷きにしていることもあり「太麺」と「醤油」という組み合わせは、意外とハードルが低く相性もいいのかもしれない。

人気メニュー2トップの一つ「辛いラーメン」
人気メニュー2トップの一つ「辛いラーメン」

さらに近年の福岡では、新規で開店するラーメン店は「豚骨ラーメン店」のそれを上回り「非豚骨のラーメン店」のほうが多いそうで、今年に入ってから開業しているラーメン店も非豚骨系のお店のほうが多い印象があり、これからもその流れが続くのであれば、福岡のラーメンシーンの人気分布図も多様化し様変わりする可能性もあるのかもしれない。※ただし(あくまでもユーザー側からの私見ですが)この流れは豚骨ラーメン離れが起きているのではなく(老舗や有名店を中心に今現在も豚骨ラーメンは変わらずの人気です)福岡の人口増加(特に福岡市内とその周辺)にともない、福岡県外からの移住者が増えた結果、豚骨以外のラーメンニーズも拡大。鶏や煮干し系の醤油や塩、味噌や鶏白湯、担々麺、つけ麺など、お店の種類も多様化してきたと推察。また、豚骨特有の匂いのリスクや、高火力で炊き続ける光熱費などの原価高騰によるリスクの影響が高い豚骨に比べると、出店のハードルをそれよりも低めに設定できることも要因にあるのでは?と思っています。

二本柱の醤油ラーメンと辛いラーメンの選択肢

この日、訪れたのは開店直前の10時少し前。店先にはすでに先客が並び、その人気ぶりが分かる。開店と同時に店内へ入り、券売機での購入は最上段左上の「特製醤油ラーメン」を発券。麺の選択肢としては二本柱の「醤油ラーメン」と「辛いラーメン」のほか、現在は「あぶらそば」も人気メニューの一つ。

カウンターの奥から3番目の中央に着席。麺が「太麺」のため、茹で上がるまでに待つことしばし。配膳された一杯は〈NO RAMEN〉の通常の「醤油ラーメン」に、国産肩ロース1枚、燻製コロチャー、メンマ、店名刻印入りの味玉がプラスされて提供される豪華な逸品。また店名だった刻印はこの日からのお披露目となった「フトメン」になっていた。

醤油と乾物由来の旨みあふれる醤油ラーメン

見た目はかなり濃厚そうに見えるけど醤油系と乾物由来の旨みがあふれるお出汁は、あっさりとしながらも麺や具材とのバランスも考えられた一杯に仕上げられていて、少し硬めに茹でられた太めのちぢれ麺との相性も抜群。麺量は豚骨ラーメンの2倍ほどになり食後の満足度もかなり高い。

スープに溶かして味変できる「味付け背脂」の個性は、脂の甘みと醤油の塩みがスープに溶け出すのを調整できる逸品。コリコリ食感の極太の「メンマ」もごま油のほんのり香る甘めの味付けで美味しい。デフォルトで入っている「卵黄」も個性の一つで麺に絡めながら食すのもよし、ごはんとともに卵かけごはんにするもよしの万能で楽しめるひと品に。ボリュームがありながら、とても食べやすい一杯なのであっという間にスープまで完飲完食。ごちそうさまでした。

3番手の入店でカウンター5席の中央に着席し開店と同時に満席
3番手の入店でカウンター5席の中央に着席し開店と同時に満席

お店の壁に描かれたウォールアートが目印

西鉄天神大牟田線「井尻駅」のホームからでも見える場所にお店があり、その壁には女の子がラーメンを啜るウォールアートが描かれていて、それが〈福岡太麺 NO RAMEN〉の目印です。

5人ほどが座れるカウンター席が基本ながら、店内の右奥には4人ほど座れる小上がり席が一つありますので、ご家族連れやグループでも対応可能なお店です。近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

福岡太麺 NO RAMEN

住所  :福岡県福岡市南区井尻5丁目8-1
[地図
営業時間:平日昼営業|10時00分〜14時00分
    :平日夜営業|17時00分〜20時00分 
    :土・日・祝|10時00分〜14時00分
定休日 :木曜日+α(※要確認)
駐車場 :専用駐車場なし、近隣有料駐車場あり

ラーメンアンテナ|福岡のラーメンを愛する地元民の一日一麺

福岡の片隅で日常食としてのラーメンを啜り続け、日々頭の中でグルグルとラーメンが廻っています。一日一麺、週間9麺、毎年450麺ほどを食べています。福岡の地元民が日々食べているラーメンをできるだけ多くの方に知っていただきたいという想いから肩肘張らない感度緩めな『ラーメンアンテナ』をお届けしています。少しでも福岡での麺活の参考になれば幸いです。〈 Horii Koji 〉

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