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ホームラン・ダービー優勝の他に、ゲレーロ親子が揃って手にしているのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラディミール・ゲレーロ July 9, 2007(写真:ロイター/アフロ)

 今年のホームラン・ダービーは、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)が制した。ムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)とフリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)を下したのに続き、決勝でランディ・アロザレイナ(タンパベイ・レイズ)を破った。

 史上初の親子優勝だ。父のブラディミール・ゲレーロは、2007年に優勝している。親子のどちらも、2度目の出場で栄冠を手にした。父は、初出場の2000年が1次ラウンド敗退。息子は、2019年の決勝でピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)に敗れた。

 ゲレーロ親子は、シルバースラッガーと週間最優秀選手も、揃って手にしている。シルバースラッガーの受賞は、父が8度、息子は1度。週間最優秀選手は、10度と4度だ。

 ゴールドグラブは、一塁手の息子が2022年に選出。外野手だった父は一度も選ばれていない。月間最優秀選手は、父が6度、息子はゼロだ。

 また、父は、アナハイム・エンジェルス時代の2004年にMVPを受賞した。息子は、2021年が投票2位、2022年は16位。2年前は、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の後塵を拝した。一方、この年に受賞したオールスター・ゲームMVPに、父は縁がなかった。オールスター・ゲームのホームランは、1本ずつ。それぞれ、2006年と2021年に打った。

 他に、父は2010年にエドガー・マルティネス賞、息子は2021年にハンク・アーロン賞を受賞している。

 親子揃って獲得したタイトルは、皆無だ。2年前、48本のホームランを打った息子は、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)と本塁打王のタイトルを分け合った。だが、父は、どのタイトルも獲得していない。それぞれの最高順位は、打率が3位(4度)、ホームランが4位(2度)、打点と盗塁は3位が1度ずつだ。意外な気もするが、父は、出塁率や長打率、OPSの1位もなかった。息子は、2021年に、この3部門もリーグ・トップに位置した。

 タイトル以外では、最多塁打と最多得点、最多併殺打を、親子のどちらも記録している。

 ワールドシリーズ優勝は、父も息子も経験していない。父は、2010年にテキサス・レンジャーズの選手としてワールドシリーズに出場したが、レンジャーズは1勝4敗でサンフランシスコ・ジャイアンツに敗れた。

 なお、どちらもリーグMVPを受賞した親子はいない。ゲレーロJr.は、まだ24歳だ。

 殿堂入りしている親子には、ラリー・マクフェイルとリー・マクフェイルがいるものの、父も息子もエグゼクティブ。ユニフォームは着ていない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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