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2試合連発のオルソンは50本塁打まであと5本。過去20年に50本以上で本塁打王を逃した選手は皆無

宇根夏樹ベースボール・ライター
オジー・オールビース(左)とマット・オルソン Sep 5, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月5日、マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)は、シーズン45本目のホームランを打った。前々日に続く、2試合連続のホームランだ。その前は、8月14日から9月2日まで、18試合続けてホームランが出ていなかった。

 レギュラーシーズンが終わるまでに、あと5本のホームランを積み上げると、オルソンは、50本塁打に到達する。

 1シーズンに50本以上のホームランを打った選手は、延べ47人を数える。なかには、そのシーズンの本塁打王になれなかった選手もいるが、2003年以降の直近20シーズンに限ると、どの選手も本塁打王を獲得している。

 その人数は、延べ11人。2005年のアンドルー・ジョーンズ(51本)、2006年のライアン・ハワード(58本)とデビッド・オティーズ(54本)、2007年のアレックス・ロドリゲス(54本)とプリンス・フィルダー(50本)、2010年のホゼ・バティスタ(54本)、2013年のクリス・デービス(53本/ファーストネームのイニシャルはC)、2017年のジャンカルロ・スタントン(59本/当時マイアミ・マーリンズ/現ニューヨーク・ヤンキース)とアーロン・ジャッジ(52本/ヤンキース)、2019年のピート・アロンゾ(53本/ニューヨーク・メッツ)に、昨シーズンのジャッジ(62本)がそうだ。

 2006年、2007年、2017年は、いずれも、リーグの違う2人が50本塁打以上を記録した。

 もっとも、今シーズンのオルソンは、50本塁打に到達しても、本塁打王を獲得できるかどうかはわからない。ナ・リーグには、オルソンの他に、40本塁打以上の選手が2人いる。アロンゾが42本塁打、カイル・シュワーバー(フィラデルフィア・フィリーズ)は40本塁打。オルソンとの差は、3本と5本だ。彼らに次ぐムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)も、38本のホームランを打っていて、オルソンとは10本離れていない。

 アロンゾは2019年、シュワーバーは2022年に本塁打王を獲得している。昨シーズンのナ・リーグ本塁打トップ2は、46本のシュワーバーと40本のアロンゾだった。35本のベッツは5位タイ、34本のオルソンは8位に位置した。

 ちなみに、50本以上のホームランを打ちながら本塁打王になれなかった、現時点では最後の選手は、2002年に52本塁打のジム・トーメイだ。ロドリゲスと5本差のア・リーグ2位――両リーグでも2位――に終わった。

 今シーズンのア・リーグの本塁打王については、こちらで書いた。

「44本塁打のままでも、大谷翔平は本塁打王を獲得できるのか。アーロン・ジャッジは31本塁打」

 なお、9月4日の時点でア・リーグのトップ10にいた選手は、誰も5日にホームランを打たなかったが、フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)が1試合2本塁打。シーズン本塁打を27本とし、11位タイから8位タイにランクアップした。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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