44本塁打のままでも、大谷翔平は本塁打王を獲得できるのか。アーロン・ジャッジは31本塁打
9月4日、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、試合前の打撃練習中に右脇腹を痛め、この日の出場を取りやめた。
ここから、すべての試合に欠場する可能性も、皆無ではない。右脇腹の状態にかかわらず、レギュラーシーズンの終了を待たずに、右肘の手術を受けるかもしれない。エンジェルスは、ポストシーズンに進めないことが、ほぼ確定している。
今シーズン、大谷はリーグ最多の44本塁打を記録し、2位のルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)に9本差をつけている。ここからのホームランが0本でも、ロバートJr.をはじめとする、ア・リーグの他の選手が10本以上を積み上げない限り、大谷は本塁打王となる。例えば、大谷がプラス0本、ロバートJr.がプラス9本なら、44本+0本と35本+9本なので、シーズン全体の本数はどちらも44本だ。
現在のア・リーグ本塁打トップ10は、以下のとおり。
2位のロバートJr.は、ここまでの本数が35本(9月4日時点)、シーズン45本塁打まではあと10本、ホワイトソックスは残り24試合だ。
ロバートJr.は、6月11日~7月7日に、出場24試合で12本のホームランを打っている。ただ、現在は右太腿の状態が思わしくなく、9月2日から3試合続けて欠場。これから始まる5日のスターティング・ラインナップにも、名前はない。
3位(34本)のアドリス・ガルシア(テキサス・レンジャーズ)が、25試合のスパンに打ったホームランは、4月22日~5月19日の10本が最も多い。ここから、レンジャーズが行う25試合すべてに出場し、それを再現しても、シーズン本塁打は、34本+10本=44本だ。
一方、4位(31本)のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、5月13日~7月29日に、1ヵ月以上の故障者リスト入りを挟み、出場21試合で14本のホームランを打っている。31本+14本なら、45本だ。ヤンキースは、あと25試合を残している。
2位~10位に位置する9人中8人は、過去に40本塁打以上のシーズンがなく、本塁打王を獲得したこともない。ジャッジの本塁打王は2度。2017年に52本塁打を記録し、昨シーズンはそれを10本上回った。
ジャッジが本領を発揮すれば、そして、大谷の本数が増えなければ、ア・リーグの本塁打王は、大谷ではなく、ジャッジが獲得することになるかもしれない。その一方で、大谷が本塁打王を逃すのは、44本のままでも、ジャッジがホームランを量産した場合ぐらい、という見方もできる。
直近の16試合で、ジャッジは9本のホームランを打っている。1.78試合に1本だ。これを25試合に換算すると、14.1本となる。