日本はこれからなのに『インサイド・ヘッド2』間もなくアニメ映画で世界史上トップに 全米もアニメが活気
2024年、世界の映画興収で今のところトップに立っているのは、ディズニー/ピクサーの新作アニメーション『インサイド・ヘッド2』。現在(7/24時点)、世界興収は14億4743万ドルに達しており、2位の『デューン 砂の惑星PART2』の7億1184万ドルの倍以上。ぶっちぎりの1位を爆進中である。
日本での公開は8/1。つまりこれから。ゆえにこの数字はさらに伸び、このまま行けば2024年、世界興収ナンバーワンとなる可能性は高い。
この14億4743万ドルという数字。オールタイム、つまり世界興収の歴代ランキングでは14位。1つ上の13位が2019年の『アナと雪の女王2』である。そして、その上の12作品は、すべて実写。アニメーション映画として「アナ雪2」は世界トップの記録を持っており、『インサイド・ヘッド2』は、そこに迫ろうとしている状況。「アナ雪2」の数字が14億5368万ドルなので、その差は、わずか625万ドル。おそらく数日中に『インサイド・ヘッド2』は「アナ雪2」を抜き去って、アニメ映画として世界興収の歴代トップに君臨することになる。625万ドルは、日本円で9〜10億円なので、日本で予想される興収だけでも軽々とクリアするわけである。
「アナ雪2」に続いて、1作目が人気を集めた作品の続編。日本では『アナと雪の女王』1作目が興収254.7億円という驚異的数字を残しながら、「アナ雪2」は133.6億円と半減。一方で『インサイド・ヘッド』1作目は40.4億円。肌感覚として、「鬼滅」「千と千尋」「タイタニック」に次いで日本歴代興収4位の「アナ雪」ほど社会現象的ブームではなかったので、アニメ史上世界トップになろうとしている続編が、日本でどこまでヒットするか注目される。「アバター」続編のように世界では驚異的な数字を残しながら、日本ではそうでも…という例もあったので未知数。
『インサイド・ヘッド2』はレビュー的にも予想以上の高評価なので、日本の観客のリアクションが気になるところ。
『インサイド・ヘッド2』は、アメリカだけでも6億ドル近い興収を記録し、もちろん現在のところ年間トップ。そして2位になりそうなのが、『怪盗グルーのミニオン超変身』。現時点(7/24)で2024年の2位は『デューン 砂の惑星PART2』の2億8214万ドルだが、3位の『怪盗グルー』は2億6360万ドルで公開中なので、抜き去るのは確実。年間2トップがアニメ作品となる。
2024年のこの後の公開作品を考えると、たとえば今週公開の『デッドプール&ウルヴァリン』などいくつか特大ヒットを狙えるものはあるものの、『インサイド・ヘッド2』の数字に到達しそうなのは見当たらない。『怪盗グルー〜』との2位争いになりそうで、つまり最終的に北米ランキング年間トップ3のうち2本がアニメになる気配も。
このところ日本では毎年のように年間興収の上位をアニメが占めることが常態化している。2024年も「名探偵コナン」「ハイキュー!!」「SPY×FAMILY」が現在のところトップ3。しかしアメリカ(北米)では、たとえば2023年の『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(2位)のように年間トップ3のうちアニメは1本、もしくはゼロというのは通例だった。アニメがトップ3の2本を占めたのは、2001年の『シュレック』(2位)、『モンスターズ・インク』(3位)のケースのみだった。
2024年は『インサイド・ヘッド2』と『怪盗グルー〜』で、アメリカでも久しぶりにアニメ大旋風となりそう。『アベンジャーズ』や『スパイダーマン』といったマーベルの爆発的作品、あるいは『ハリー・ポッター』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』、『ジュラシック・ワールド』といった、かつての“特別感”のあるフランチャイズが減りつつあるハリウッドの実写作品。昨年の『バービー』のように予想外のブームを作る映画が現れるか? それともアニメの人気がそれを抑えるのか? 2024年後半の映画興行に注目したい。
『インサイド・ヘッド2』8月1日(木)全国劇場公開
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