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39歳のグリエルがマイナーリーグ契約でブレーブスへ。昇格はある!? 一塁とDHにはオルソンとオズーナ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョニー・クエイト(左)とユリ・グリエル Sep 30, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ユリ・グリエルは、6月に40歳の誕生日を迎える。けれども、まだ引退する気はないようだ。フランシス・ロメロとMLB.comのマーク・フェインサンドによると、グリエルとアトランタ・ブレーブスは、マイナーリーグ契約の合意に達したという。ロメロは、グリエルが先月末に代理人を変更、とも報じている。

 2021年は、自己ベストの打率.319と出塁率.383を記録し、首位打者を獲得した。だが、2022年は.242と.288、2023年は.245と.304だ。パワーも低下している。

 しかも、今のところ、ブレーブスは、グリエルを必要としているようには見えない。

 グリエルのポジションは、一塁限定だろう。過去4シーズンのうち、一塁以外の守備についたのは、2021年に三塁で2イニングに過ぎない。ブレーブスの一塁とDHには、マット・オルソンマーセル・オズーナがいる。どちらも、不動のレギュラーだ。

 控えの4枠は、捕手のチャドウィック・トロンプ、一塁以外の内野3ポジションを守るルイス・ギヨーメイ、外野手のアダム・デュボールフォレスト・ウォールが占めている。彼らのうち、デュボールは、控えというよりも準レギュラーだ。レフトのポジションを、ジャレッド・ケルニックと分け合っている。

 トロンプと誰かが入れ替わる場合も、それがグリエルということはあり得ない。ギヨーメイについても、同様だ。例えば、デビッド・フレッチャーのようなユーティリティなら、ギヨーメイの役割を引き継ぐことができる。フレッチャーは、開幕からAAAでプレーしている。

 一方、外野手は、ウォールがいなくなっても、4人を擁する。ここまで、ウォールの先発出場は一度もなく、途中出場も2試合だけだ。ただ、ウォールにはスピードがある。過去2シーズンとも、AAAで52盗塁を記録している。

 今シーズンの初出場は、10回裏にオーランド・アルシアと交代し、オートマティック・ランナーとして二塁に立った。トラビス・ダーノーの打球は、レフトの頭上を越えてフェンスに直撃したので、ウォールでなくても生還できた気もするが、代走として起用できる選手をベンチに置いておきたいと考えるなら、ウォールは最適だ。

 ブレーブスは、怪我人が出た場合の保険として、グリエルと契約を交わしたと思われる。

 グリエルからすると、こういうことではないだろうか。FAのまま過ごしていても、球団から声がかかる可能性は低い。マイナーリーグでプレーし、そこで復調をアピールすることができれば、ブレーブスでは昇格できなくても、グリエルを欲しがる球団が現れるかもしれない。

 なお、上の写真に写っているジョニー・クエイトは、現在もFAだ。2022年は158.1イニングを投げ、防御率3.35を記録したが、2023年は怪我もあり、52.1イニングで防御率6.02。今年2月に38歳となった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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