【秋田県横手市】巨人軍のレジェンドを冠した雄物川の名物!『滝沢食堂』のスタルヒンやきそばとは?
創業から約半世紀!地元で愛される名物グルメを求め、雄物川の老舗食堂へGO!
横手市雄物川の老舗食堂で、巨人のレジェンド選手に想いを馳せる。
ゴールデンウイークの真ん中にあたる5月3日、東京ドームでは巨人の球団創設90周年を記念した「長嶋茂雄デー」が行われた。私と同じアラフォー世代なら、子供の頃はブラウン管の向こうにいる「長嶋巨人」に憧れて、白球を追いかけたという方も多いのではないだろうか。
そんなミスタープロ野球・長嶋さんが生まれた1936年、ロシア出身のひとりの野球選手が巨人のユニフォームに袖を通した。後に通算300勝をマークするなど、日本野球界の創世記を支えた名投手ヴィクトル・スタルヒンである。
ちなみに私は生粋の巨人ファン。雄物川に巨人のレジェンド選手を冠したスタルヒンやきそばなる名物があると聞けば、食べないわけにはいかない。向かった先は、創業から約半世紀を数える老舗『滝沢食堂』である。
噂の食堂は高昭食堂などがある雄物川のメインストリートにあった。老舗の風格を感じる暖簾をくぐると、温和なご主人と気さくな店員さんたちが迎えてくれた。店内はテーブル席に加えて、奥には小上りも完備。常連さんに愛される古き良き「町の食堂」という面持ちだ。
品書き
元祖スタルヒンやきそば:550円、ホルモン焼そば:700円、肉玉子焼そば:500円、肉玉野菜焼そば:600円、並焼そば:400円など。
中華(ラーメン):500円、もやし中華:600円、五目中華:600円、みそラーメン:600円、とんこつラーメン:600円。
焼きそばとラーメンのツートップ体制で営業する滝沢食堂。並の焼そばは400円で、ノーマルラーメンはワンコイン。品書きの上には、昭和47年から33年間使われた旧店舗の外観写真も見えるが、お財布に優しすぎる「昭和価格」も嬉しい。
そんな中、今回私は元祖スタルヒンやきそばをチョイス。この噂の逸品も550円と超リーズナブルだ。
皿の中に野球場?雄物川のソウルフード・スタルヒンやきそばを実食!
噂のスタルヒンやきそばが到着。実はこの焼きそば、野球選手に因んだ一品ということで皿の中は野球場をイメージしている。焼きそばの上に鎮座する目玉焼きはホームベース、ソーセージはバット、そして奥に広がる青のりゾーンは野球場の芝生を表現。横手の焼きそば界では欠かせない赤い福神漬けは、観客席に見立てている。
そんなビジュアルも楽しい一品は、子供の頃から慣れ親しんだ昔なつかしの味。ひき肉やキャベツがたっぷり入った焼きそばにプリップリの目玉焼き、横に待機するソーセージもなんだか嬉しい。一般的な横手やきそばに比べて、水分少なめに仕上がっているのも特徴だ。
半熟の目玉焼きを箸で崩して、青のりたっぷりの麺と一緒に啜る。そして隙を見て好物のソーセージにも手を伸ばす。皿に広がる野球場の味を存分に楽しみながら、ネギと揚げ玉が入った温かいスープをズズっと。うん、今日の昼飯も大正解だ。
……なんて呑気にしていると、ゴールデンウイークの店内は満員御礼に。ラーメンや焼きそばを啜る音が、雄物川の愛され食堂の至るところに響き渡る。ちなみに現在は不定休のため、遠方から訪れる場合は電話で確認するのが吉だ。
滝沢食堂から徒歩数分!巨人のレジェンド選手が眠るお墓を訪問!
『滝沢食堂』から数分ほど歩くと、スタルヒンが眠るお墓がある。最愛の妻が雄物川・崇念寺の出身だったことから、元巨人軍の300勝投手は妻と共にこの地で眠っている。
厳かな雰囲気の中、突然現れるゆるキャラ・ごりやく君の登場にちょっぴり戸惑いながら歩いていくと、名投手のお墓があった。享年40歳。スタルヒンは通算300勝をマークしたレジェンド投手である一方、戦争に翻弄され、最後は不慮の事故により他界した。亡くなったのはミスタープロ野球・長嶋茂雄が巨人のユニフォームに袖を通す前年である。
波乱万丈な人生を過ごし、今の私と同じ40歳の若さで他界した昭和の名投手。その名は令和の新たな時代を迎えても、小さな食堂で生き続けている。
「……どうか今年は日本一になれますように」
そして、どさくさに紛れてスタルヒンが眠る墓にそう必勝祈願したのは、焼きそばを食べてお腹いっぱいの巨人ファンの男である。
【店舗情報】
滝沢食堂
住所:秋田県横手市雄物川町今宿字今宿67
営業時間:11時30分~14時30分
電話番号:0182-22-3555
定休日:不定休