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テレビ5割近く、スマホは2割台…9歳以下の子供が使うネット機器(2023年公開版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
幼い子供でも保護者とともにインターネットの世界へ(写真:アフロ)

世の中に深く浸透するインターネット。そのような世の中で、幼い子供達はどれほどインターネットを使える機器に触れているのか。その実情を内閣府が2023年3月に発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」(※)の内容から確認する。

調査結果によると、今調査対象母集団において何らかの機器で子供がインターネットを利用している人は74.4%となった。

↑ インターネットを利用しているか(9歳以下)(2022年)
↑ インターネットを利用しているか(9歳以下)(2022年)

設問では「あなたのお子様は、インターネットを利用していますか」「サイトやコンテンツを見たり、文章を書きこんだりすることです。インターネットには、WEBサービスおよびアプリケーションを含みます」とあるため、当人の意志によるものでなくとも保護者が子供に利用をうながしたりサービスを楽しませていれば、利用したと判断されることになる。ゼロ歳児が積極的にウェブブラウジングやソーシャルメディアの書き込みをするとは考えにくいが、動画投稿サイトの動画の閲覧や、インターネットサービスによる子供向けの絵本サイトの閲読を保護者が手ほどきすることはあるだろう。

今調査の限りでは、2歳の時点ですでに6割強、4歳では7割強の子供が、何らかの形でインターネットを利用していることになる。小学校に上がる時点(6~7歳)ですでに8割に達している。

それでは具体的にどのような機種でインターネットを利用しているのか。機種の並びは資料に準じている。

↑ 該当機種でインターネットを利用しているか(9歳以下、複数回答、全体比)(2022年)
↑ 該当機種でインターネットを利用しているか(9歳以下、複数回答、全体比)(2022年)

もっとも多いのはテレビの48.1%で、次いで自宅用パソコンやタブレット型端末の38.1%。(家庭用)ゲーム機は32.5%、学校から配布・指定されたパソコンやタブレット型端末は25.6%、スマートフォンは24.6%。これらの値はあくまでもインターネット利用機器としてのものなので、インターネットに接続せずに利用をしているケースは多々あることに注意が必要となる。子供向けのインターネット利用機器としては、テレビや自宅用パソコンやタブレット型端末(他調査から推測するに、その多分はタブレット型端末)、ゲーム機が主軸のようだ。

これを年齢階層別に見たのが次のグラフ。空欄の部分は該当者がいないことを意味する。

↑ 該当機種でインターネットを利用しているか(9歳以下、複数回答、年齢階層別、各属性全体比)(2022年)
↑ 該当機種でインターネットを利用しているか(9歳以下、複数回答、年齢階層別、各属性全体比)(2022年)

2歳あたりからスマートフォンの値が一定の値を示しているが、これは多分に保護者所有の機器を共有する形で利用しているからなのだろう(詳しくは別の機会で解説するが、実際にその通りの結果が出ている)。

自宅用パソコンやタブレット型端末(恐らくその大部分はタブレット型端末)も似たような動きをしているが、2歳から4歳にかけて、6歳から7歳にかけても伸びている。タブレット型端末そのものの保護者における普及率が影響していると見てよい。保護者が所有していなければ、子供と共有することは不可能。6歳から7歳での伸びは子供が小学校に上がる(6-7歳)のが一つのきっけかとなっているのかもしれない。

ゲーム機も小学校に上がる前後から利用率が伸びていく。これは主に子供自身の専有として、あるいは兄弟姉妹との共有で利用するようになるからだろう。この点がスマートフォンとは異なる動きである。

学校から配布・指定されたパソコンやタブレット型端末は6歳以降に急に値が伸びる。これは単に、小学校に入る段階で配布や指定が行われるケースが多々あるからだろう。

今件調査は保護者による回答だが、該当年齢においては保護者の下で各種機器でインターネットを利用するケースがほとんどであり、自分で端末を調達して保護者に隠れて利用する状況は想定し難いため、ほぼ利用実情との差異は無いものとみて間違いはない。特に小学校に上がる前の子供におけるインターネット利用状況は調査機会があまりないため、今件結果は非常に有意義なものに違いない。

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※青少年のインターネット利用環境実態調査報告書

今件は「青少年のインターネット利用環境実態調査報告書」内の「低年齢層のインターネットに関する利用実情」の報告部分が該当する。同調査は2022年11月1日時点で日本全国の0歳から9歳の子供を持つ保護者を対象に、同年11月3日から12月12日にかけて行われたもので、保護者に対して子供の実情などを問う形となっている。調査標本数は3000人、有効回答数は2088人。調査方法は原則調査員による訪問配布・訪問回収法だが、訪問時間などの調整ができない場合に限り、ウェブ調査法や郵送回収法が併用されている(それぞれ358人、134人が該当)。標本抽出方法は層化二段無作為抽出法。

(注)本文中のグラフや図表は特記事項のない限り、記述されている資料からの引用、または資料を基に筆者が作成したものです。

(注)本文中の写真は特記事項のない限り、本文で記述されている資料を基に筆者が作成の上で撮影したもの、あるいは筆者が取材で撮影したものです。

(注)記事題名、本文、グラフ中などで使われている数字は、その場において最適と思われる表示となるよう、小数点以下任意の桁を四捨五入した上で表記している場合があります。そのため、表示上の数字の合計値が完全には一致しないことがあります。

(注)グラフの体裁を整える、数字の動きを見やすくするためにグラフの軸の端の値をゼロではないプラスの値にした場合、注意をうながすためにその値を丸などで囲む場合があります。

(注)グラフ中では体裁を整えるために項目などの表記(送り仮名など)を一部省略、変更している場合があります。また「~」を「-」と表現する場合があります。

(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

(注)「(大)震災」は特記や詳細表記のない限り、東日本大震災を意味します。

(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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