汚れたら漂白剤…で本当にいいの?汚れを"浮かせて"落とす3つのテクニック
洗濯研究家の平島 利恵です。
洋服に汚れが付いた時、どのように落としますか?とりあえず「漂白剤につける」という方も多いかもしれません。
洗剤と漂白剤は、どちらも衣類の汚れを落とすために使われますが、汚れを落とすメカニズムが大きく異なります。
漂白剤は、汚れの色素を化学反応で壊す働きで落とします。
洗剤は、界面活性剤が汚れに吸着し、衣類の繊維から汚れを浮かせて落とします。漂白剤のほうが汚れを落とす効果は高いものの、繊維への負担も大きくなります。
どちらが良い、悪いというものではなく、汚れの種類・度合、衣類の繊維に合わせ使い分けをしましょう。
塩素系・酸素系漂白剤の違い
漂白剤には、酸素系と塩素系の漂白剤があります。
塩素系は漂白・殺菌力が強く、色物に使うと脱色してしまうため、衣類用では酸素系漂白剤が使われるのが一般的です。
酸素系漂白剤は、「過炭酸ナトリウム」と表記されます。漂白剤と知らずに使っていることもあるので、使っているシミ抜き剤の成分を確認しましょう。
漂白剤を使う際の注意点
洗濯表示を確認する
漂白剤を使うことのできない衣類もあります。洗剤の中に漂白剤が配合されている程度であれば、ほとんどの場合問題はありませんが、つけ置き洗いは控えましょう。
金属部品がついている衣類には使用しない
酸素系漂白剤は、金属と反応すると化学反応で繊維が破けてしまうことがあります。ファスナー、ボタンなど、金属部品が使われている衣類への使用は避けましょう。
40度以上のお湯でつけ置きする
酸素系漂白剤は、40度ほどのお湯を使用することで漂白効果が高まります。
使用方法を守って使う
漂白剤を規定量以上入れたり、規定時間以上つけ置きすると、繊維を傷める恐れがあります。誤った使い方を続けると、衣類が薄くなり破けてしまうこともあるので、注意しましょう。
容器の移し替えをしない
酸素系漂白剤からは、過酸化水素というガスが発生します。そのため、市販の容器にはガス抜き用の穴が開いています。別の容器に移し替えると、化学反応で爆発することもあるので、移し替えはせず使用しましょう。
黄ばみ・シミ・ニオイは洗剤でも落とせる
どんな汚れにも、とりあえず漂白剤を使うのではく、まずは洗剤を使って落とし、それでも落とし切れない汚れに漂白剤をプラスする方が、衣類への負荷が少なく、おすすめです。
黄ばみ・シミは洗剤の力でも落とすことができ、生乾き臭・雑菌臭などの嫌なニオイは洗濯の仕方を見直すことで抑えることができます。
【黄ばみ・ニオイ・食べこぼしのシミ・蓄積汚れ】つけ置き洗い
40度程のお湯に、洗浄力の高いアルカリ性の粉洗剤をよく溶かし、衣類を1時間ほどつけ置き洗いします。
お湯を使うことで洗剤の洗浄効果が高まり、繊維の奥に染み込んだ汚れやニオイを溶かし出し、落とすことができます。
【メイク・油じみ・蓄積汚れ防止】プレウォッシュ
洗濯前に、気になる汚れに中性洗剤を塗布し、歯ブラシで上からトントン優しく繊維に叩き込みます。さらに汚れが酷い場合は、10%に薄めた重曹水も一緒に塗布しましょう。
洗濯前に繊維に洗浄成分を行き渡らせることで、汚れ落ちの効果が格段に高まります。襟袖汚れの予防にも◎
【泥汚れ】もみ洗い
洗剤の力だけで落とすことができないのが、泥汚れです。細かい砂の粒子が衣類の繊維の奥に入り込んでしまっているため、力をかけて揉み出します。泥汚れは漂白剤につけても落とすことができません。
泥汚れは、泥を乾かし軽くはたいた後、アルカリ性の粉洗剤を溶かしたお湯で1時間ほどつけ置き洗いします。その後、石鹸で優しくもみ洗いしてから洗濯機にかけます。
ニオイの原因は洗濯槽の汚れかも
カビだらけの洗濯槽では、せっかく洗濯をしても衣類にニオイや雑菌が残ってしまいます。ニオイや黒ずみの原因は、洗濯槽のカビ汚れかもしれません。
何をしても臭うという方は、洗濯槽を掃除しましょう。
掃除の目安は、1ヶ月に1回です。
衣類の汚れを落とす働きをする「洗剤」と「漂白剤」
衣類に合わせて使い分けをし、シミのないキレイな衣類を身につけましょう!漂白剤を使用する際は、洗濯表示と説明文を必ず確認してくださいね!