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オートバイのあれこれ『バブル期っぽいバイク。』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今宵は『バブル期っぽいバイク。』をテーマにお話ししようと思います。

バブル景気に沸いた80年代、日本ではパイクカーというクルマが流行しました。

代表的なのが、日産『Be-1』『パオ』等ですね。

▲Be-1(1987/画像引用元:日産自動車)
▲Be-1(1987/画像引用元:日産自動車)

▲PAO(1989/画像引用元:日産自動車)
▲PAO(1989/画像引用元:日産自動車)

これらのクルマはレトロなデザインが特徴的だったわけですが、オートバイの分野でも、これらパイクカーと同じような雰囲気をもったモデルがありました。

スズキが1992年にリリースした『SW-1』です。

▲SW-1(1992/画像引用元:スズキ)
▲SW-1(1992/画像引用元:スズキ)

車両画像を見てもらったほうが、その雰囲気がすぐに伝わるかもしれません。

いかがでしょうか、とても個性的なデザインをしていますね。

また、どこかBe-1などのクルマと通ずる香りも感じないでしょうか。

もし共通の匂いを感じるとしたら、その感覚は当たりです。

というのも、実はこのSW-1のデザインは、Be-1やパオを手がけた坂井直樹氏によるものだからです。

坂井氏は80年代末、日産のクルマのデザインも担当しつつ、このSW-1の開発にも参画していました。

▲当時の広告(画像引用元:スズキ)
▲当時の広告(画像引用元:スズキ)

SW-1をデザインするうえで掲げられたコンセプトが、「ヒューマン・ウェア」。

つまり「バイクとしてのバイク」ではなく、「ファッションアイテムとしてのバイク」ということです。

Be-1やパオもオシャレで趣味性の強い外観をしていましたが、そのセンスをオートバイにも採り入れたということですね。

SW-1が企画された80年代後半のバイク市場はレーサーレプリカブームで、各メーカーは主にエンジンスペックといった部分へ開発資金を注いでいたわけですが、SW-1の開発では走りの性能向上にはほとんどリソースが注がれず、坂井氏のコンセプトを反映したスタイリングデザインの構築にひたすら注力されました。

完成したSW-1は見事に坂井氏のコンセプトが活きた姿となりましたが、価格が68万8,000円と当時の250ccモデルにしてはかなり高く、またバブル経済が崩壊した背景もあって、SW-1は売れ行き不調のまま2年ほどで生産終了となってしまいました。

現役時代は人気を得られなかったSW-1ですが、当時よりも価値観が多様化した今、電動バイクなどにこのスタイルを再現すれば、そこそこ売れそうな気がします。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

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