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なぜ?今だに電話をかけてくる人がいるのか?音声電話が大迷惑な5つな理由

神田敏晶ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント
出典:筆者の電話履歴

KNNポール神田です。

1876年3月7日のグラハム・ベルの電話特許が有効になってから…147年になろうとしている。すでに、150年に至るメディアだ。

2007年6月29日の『iPhone』による『電話の再発明』からもすでに16年目となる…。

一国に一台の電話から、町内に一台、一家に一台、そして一人一台から一人複数台の『スマートフォン』へ。しかし、徐々に『音声』でコミュニケーションするケースは代替され、インターネット端末として他のメディアを凌駕し、『SNS』が進化し、マスメディアから家電に至るまでの市場を崩壊させ、ネット端末としても、もはや『PC』より『スマートフォン』がメインとなった。

『スマートフォン』という名前にだけは『電話=フォン』の言葉は残るが『電話番号』の概念は、すでに『SMSを保持した、銀行と住所にヒモづけされた単なる本人確認番号』であり、コミュニケーション手段は『SNS』や『メッセンジャー』などの属性によって分断された『音声回線』という『WiFi』以外での通信キャリアの一サービスでしかない位置づけに変化した。

すでに『FAX』などが置き換えれれたように『音声通話』による『電話』は技術的にもコスト的にも『IP電話』や『メッセンジャー』などへと置き換えられるようになってきた。

むしろ、一番の変化の起点は、『リアルタイム』という時間軸の『同期メディア』であることだ。『同期メディア』は使う人のリテラシーによって大きく変化する。

同期メディアは、『110番』や『119番』のような『緊急電話』としては有効で必要だ。すでにAppleWATCHが、事故などでは勝手に通報してくれる時代でもある。

しかし、一方的な同期メディアとしての『電話』ほど、迷惑なものはないと筆者は考えている

出典:筆者の履歴
出典:筆者の履歴

1分おきに平日の業務時間帯に電話をかけてくる人…、果たして、この人は、これで一日の仕事が成立するのだろうか? 

HONZの成毛眞氏やホリエモンも電話嫌いで有名だ。

電話をかけてくる人は、仕事がデキない証拠

https://shuchi.php.co.jp/article/6756

■音声電話が大迷惑な5つな理由

1.相手の都合でかかってくる

2.緊急対応を要求される

3.こちらの仕事が邪魔される

4.パワハラに近い

5.要件が見えないのに答えさせられる

『電話』は、コミュニケーション手段の一つとして長らく使われてきたが、業務以外では、ほとんど迷惑な存在になりつつあるのが現状だ。

1.相手の都合でかかってくる

電話がかかってくる時間は、北朝鮮のロケットや地震以上に、突然、自分にふりかかってくる。iOSの『集中モード』を『デバイス間で共有』『通知』の『通知のグループ可』にしていると、すべての端末が『電話』を通知し、部屋中で一斉に鳴らし始める…。まるで警報のようだw

地震の予知予報のように3分前に電話がかかってきそうなことがわかれば、かろうじて対応することができそうだ。しかし、そうはいかない。

当然、電話を取るには、メモとペンを用意しなければならないし、また、スケジュールの確認であればスケジューラーを立ち上げてチェックしておく必要がある。

そのため、筆者の電話はすべて『同期』ではなく、『録音』で対応しているようにしている。そう、こちらが『同期』に対応する必要はどこにもない。『要件』を伝えない電話には振り回せれることもない。

出典:筆者のGoogle日本語入力の単語登録
出典:筆者のGoogle日本語入力の単語登録

何よりも、携帯電話番号がわかるのであれば、『SMS』で『会議中で電話にでられませんので要件をお願いします。荷物ならば宅配ボックスへ』と辞書登録で『でん』と打つと、表記するようにしている。

MacとiPhoneが同じアカウントで同一Wi-Fiにいれば、テキストのコピー&ペーストも簡単にできる。

2.緊急対応を要求される

要件もなく、『あなたの声が聞きたかった』的な甘〜い電話はもうかかってこないので、電話には、必ず『要件』があり、それに対して何らかの回答を『会話』であれば答えようとしてしまう。そこには、『熟考』する余地などは数秒も残されていない。そして、良い結果になることのほうが少ない。相手によっては、不意をつかれて、押し切られてしまうことも多々ある。

『簡単なことなんですが…』とかの前置詞がつくのはさらに悪質だ。

すぐに終わるからと思って承諾してしまった途端に、その電話の要件がいつのまにか『最優先事項』となっているケースも多い。

基本的に電話対応案件は1週間後になると思ってもらったほうが良い。

そうしないと、今の仕事の優先事項が、たった1本の電話を取ったことで、繰り下がってしまうからだ。

3.こちらの仕事が邪魔される

何よりも『電話』の問題は時間を『同期』しなければならないことだ。しかし、ビジネスの世界では長い間、時間同期の『電話営業』が普通だった。

しかも、こちらの名前さえも知らないリスト営業の『営業電話』には本当にごくろうさまとしか言いようがない。『無料セミナー』とかは、必ず『クロージング』のための営業のエサとなる。また、彼らも、まともに取り扱ってくれる人は50件に1件だから断られて当然だから、営業トークも常にルーティーン化している。

それでも、SPAMメールと同様、労働力対パフォーマンスが高いから一向になくなることがない。

しかし、完全にこちらは、電話に対応している時間は、数秒だけだったとしても、元の『仕事脳』のテンションに戻るのには、15分くらいは普通にロスしてしまう。気分を入れ替えて食事や休憩のチャンスとなってしまうと1時間はロスだ。

だから、最初から『鳴らない電話』で対応することが重要だ。

4.パワハラに近い

何よりも、電話をかけてくるのは、上司やクライアントという立場が一番やっかいだ。そう、彼らは『仕事における命令権』を持っているからだ。こちらの時間配分に配慮はしながらも、ほぼ命令に近い。そして、『どちらが優先?』と伺うと、大概『どちらも優先』という非論理的な答えを電話の主は返してくるのだ。

いずれにしても、口頭での指示は誤解やトラブルの原因になるので文書で確認していく対応が必要だ。電話のあとは必ず、文書でやりとりをする。ビジネスとしてドキュメントを残すことは必須条件だ。

5.要件が見えないのに答えさせられる

電話での『意思決定』は、かける側と受ける側とでは心理的負荷がまったく違う。

突然の電話を『熟考』した上で答えたいので、こちらから電話をすると伝えたほうがまだ良いだろう。

電話をかける側は、かけ上手だが、受け上手でない場合が多い。

『即答しない。かけ直す。調べる。急かされない。熟考する。』

これが大事だ。

電話詐欺などはいつも、このような手口だ。すぐに電話をかけてくる人は悪意を持っていると思っていてちょうどではないかと思う。

即答しない。かけ直す。調べる。急かされない。熟考する。』でかなりの詐欺被害からも救われる。

■電話をかけてくる人の5つの特徴

何よりも、この21世紀の1/4になろうとする、2023年でも、電話をかけてくる人の特徴は、だんだん限られてきている。

1.急いでいる

2.すぐに意思決定してほしい

3.文章力がない

4.わがまま、省力化

5.形に残したくない

1.急いでいる

とにかく、急いでいるから、文書にしている時間がもったいないほど急いでいる。

自分が急いでいるから他人も急がせるのは、もはや時代錯誤だ。

いやいや、そんな人につきあわされるほうが大変なのだ。

雇用側としても、文書で明確な指示がほしいくらいは言えるだろう。そう、間違いやトラブルになるリスクは軽減させるべきなのだ。

2.すぐに意思決定してほしい

これも、すぐに電話をかける人の特徴だ。電話で答えをもらったほうが早いと勘違いしている。電話で意思決定は、早まらない。ただ単にストレスを与えて時間を稼いだだけだ。

3.文章力がない

文章で要件を伝えるトレーニングがなされてないないのが原因だ。もしくは情報音痴でSMSの存在を知らない。

人によっては、長期的に物事を考えられない、短期的な視点でしかないように見える。指示をするならば、機会を選んで、効果的な指示をするべきだ。

4.わがまま、省力化

『パワハラ』項目と同様で、自己中心的で、わがままで電話で仕事ができると思いこんでいる人が多い。そう口頭だけの指示ならば、いつどこにいても電話ひとつで世の中が動かせてみるようにみえる。また、自分が電話であれば『省力化』できる。それだけかけられた相手に『負荷』を与えているからだ。

5.形に残したくない

電話では、やりとりが形に残らない。証拠が残らない。履歴は残るがやり取りはわからない。秘匿事項はどうしても電話になるという政治家の先生たちは

いまだに電話が主なコミュニケーションツールだ。

また、iPhoneなどには標準で録音機能がない。

安価な、外部の『ボイスレコーダー』で、『電話』の『オーディオ』を『スピーカー』にして、双方の会話を録音すべきだ。

言った言わないも防げ、完全な証拠としても残すことができる。

業界によってもいろいろとある。

テレビの業界なども、電話業界以上に電話がメインだ。『生放送』のオンエアに向けて、電話を駆使して『少しだけ教えてほしいのですが…』と単なるリサーチで時間を奪う。

対価が発生しないボランティア稼業ではないので相手にしない。雑誌や新聞と同様、テレビも、もっと丁寧に仕事をしないと嫌われる業界になりつつある…。

ITジャーナリスト・ソーシャルメディアコンサルタント

1961年神戸市生まれ。ワインのマーケティング業を経て、コンピュータ雑誌の出版とDTP普及に携わる。1995年よりビデオストリーミングによる個人放送「KandaNewsNetwork」を運営開始。世界全体を取材対象に駆け回る。ITに関わるSNS、経済、ファイナンスなども取材対象。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部、サイバー大学で非常勤講師を歴任。著書に『Web2.0でビジネスが変わる』『YouTube革命』『Twiter革命』『Web3.0型社会』等。2020年よりクアラルンプールから沖縄県やんばるへ移住。メディア出演、コンサル、取材、執筆、書評の依頼 などは0980-59-5058まで

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