Yahoo!ニュース

「いつもにまして」と「いつにもまして」、どっちが正しい?ややこしい言葉3選【間違えやすい日本語】

おやさいなおライター┃正しい日本語レッスン

ふだん言葉を話したり書いたりするときに、「あれ、これってどっちが正しい日本語だっけ?」とわからなくなる、ややこしい言葉ってありますよね。今日は、間違えるとちょっと恥ずかしいかもしれない、そんなややこしい言葉について述べていきます。

①いつにもまして

いつにもまして綺麗な空。
いつにもまして綺麗な空。

こちらは「いつもにまして」と間違えやすいので要注意!「いつにもまして」は「いつも以上に、いつもよりもずっと、一段と」という意味なのですが、その意味につい引っ張られて「いつもに~」と言ってしまっている人も多いのでは?なお、漢字で書くと「何時にも増して」

「~にも増して」は「~以上に」という意味で、たとえば「今日は昨日にも増して良い天気だ」といったように使われます。そのため、「いつにもまして美しい」は「いついかなる時、いつ何時にも増して美しい」という意味になるのです。

②のべつまくなし

のべつまくなしの「まく」は、この「幕」のこと。
のべつまくなしの「まく」は、この「幕」のこと。

こちらは「のべつくまなし」と間違えやすいので要注意!「のべつまくなし」は、絶え間なく何かをするさまを表す言葉です。

そもそも「のべつ」とは「絶えず、ひっきりなしに」という意味で、たとえば「のべつにしゃべる」「のべつに働いている」といったように使います。そして、「のべつまくなし」は漢字で書くと「のべつ幕無し」で、芝居で幕を引かずに演技し続けるさまからきている言葉なのです。今まで間違って覚えていた人は、漢字を今覚えてしまえば、今後は間違えにくいのではないでしょうか。

③舌鼓(したつづみ)

これが鼓(つづみ)。
これが鼓(つづみ)。

こちらは「したづつみ」と間違えやすいので要注意!正しくは「したつづみ」ですが、すこし言いづらいので「したづつみ」と言う人が増えたのではないでしょうか。

「舌鼓」は、おいしいものを食べて舌をチュッと鳴らすことをいい、たとえば「シェフ特製料理に舌鼓を打った」というように使います。読み方は一瞬迷うかもしれませんが、漢字を覚えてしまえば簡単なはず。舌(した)+鼓(つづみ)で「舌鼓」なので、これからは意識してみてくださいね。

おわりに

いかがでしたか?この記事では、間違えるとちょっと恥ずかしいかもしれない、3つの言葉を紹介しました。とくにビジネスシーンなど、フォーマルな場面で気を付けてみてはいかがでしょうか。
これからも「あれ?この言葉ってどっちが正しいっけ?」と悩んだら、まずは漢字でどう書くかを調べてみるのがおすすめ。とくに今日紹介した言葉については、漢字表記を覚えるのがコツですよ。

<参考>

・『三省堂国語辞典』第八版(2022年、三省堂)

のべつ幕無し(のべつまくなし)とは? 意味・読み方・使い方をわかりやすく解説 - goo国語辞書

ライター┃正しい日本語レッスン

国語・日本語好きのWebライター┃保有資格:校正士、中学校・高等学校教諭一種免許状(国語)┃元編集者┃明日から使える正しい日本語の知識をわかりやすく発信中┃ビジネス敬語や日本語の「あれ、なんだっけ?」「これ、どうしたらいいの?」を1つでも多く解決できるよう、活動していきます┃趣味:イラスト、語彙力アップ

おやさいなおの最近の記事