韓国国会議員の尹美香氏 東京で「北朝鮮系式典」に出席 本人「知らなかった」
毎年9月1日に行われる関東大震災時に虐殺された朝鮮人を追悼する式典。
日本側の主催の式典のほか、韓国政府をバックグラウンドに持つ「民団」と北朝鮮側の「総連」もそれぞれ行う。
9月1日、墨田区で行われた総連系の「関東大地震100年・朝鮮人虐殺追悼集会」にある人物の姿が――。
その人物は尹美香氏。
韓国の無所属国会議員だ。韓国でも驚きのニュースとして報じられている。
長年、慰安婦問題解決の支援団体トップを務め、2020年4月に左派の「共に民主
党」系列候補として当選。その後、同党議員として活動していたが、同年8月に寄付金の横領などの疑惑が浮上。その後党から除名処分を受けた。現在は法廷闘争中。検察側からの「求刑5年」を巡って、今月20日に2審の判決公判が行われる予定だ。
そんな彼女が突如、朝鮮総連のイベントに黒い服を着た姿を見せた。韓国メディア「東亜日報」がスクープし、その後「聯合ニュース」「チャンネルA」「朝鮮日報」なども追随して報道した。
式典の途中では韓国を「南朝鮮傀儡政権」と罵る一幕も。また最近の日米韓の動きについて「軍事協力を推進し、周辺国との敵対を強いている」と批判があったという。貴賓席には、ホ・ジョンマン朝鮮総連会長やら総連の指導者たちの姿もあった。
何が問題なのか。
総連側とすれば、韓国側の人物が自らの側に加わることを問題としない。これまでも見られてきた事例だ。「傀儡」と呼ぶように「韓国という国は存在しない」という立場でもあるため、「望むのならどうぞ」という立場を見せてきた。実際に韓国籍で朝鮮学校に通う子どもたちもいる。
韓国側とすれば看過できない話だ。
まず何より、「韓国政府の存在を否定する発言」も出る北朝鮮系のイベントに参加した点が問題視されている。それも、この日、韓国系の民団の追悼式典も行われているにもかかわらず、だ。「東亜日報」は韓国政府関係者のかなり厳しいコメントを紹介している。
「国会議員が韓国(国家)のアイデンティティを否定する反国家団体のイベントに参加するために、韓国政府の支援を受けたのは奇妙」
しかも、「聯合ニュース」は尹議員が「私人ではなく公人として日本を訪問した」と伝えている。また「東亜日報」は「空港では入国審査の際に韓国大使館のサポートを得た後、大使館の車両で都内に入った」。
「東亜日報」はこれについて尹議員側に取材。以下の回答を掲載している。
「日本への入国時間が遅れ、空港から大使館の車に乗った。その他の移動、宿の予約などはサポートを受けていない」
当の本人サイドは東亜日報系のテレビ局「チャンネルA」の取材にこう答えている。
「韓国の団体が主催するイベントだと思って行った。被害者を追悼するために参加しただけで、(韓国在日)総連と関連して参加したわけではない」
韓国には左派系の人物を避難する言葉として「従北」という言葉がある。「親北」よりもより強い北へのシンパシーを持っている人物、という意味。尹美香議員の「間違った」との発言、真相は定かではない。仮に意図的に参加したとすれば「日本への強い姿勢を見せているのは、韓国の現政権ではなく、もはや北朝鮮」という考え方もあったか。