人はなぜ人を攻撃し、攻撃しないのか:攻撃と怒りの社会心理学
<必要な怒りもありますが、身を亡ぼす怒りもあります。効果的な攻撃をしたいですが、攻撃されるのは嫌です。では、どうすれば良いのでしょうか。心理学からお伝えします。>
■攻撃行動とは
攻撃行動とは、意図的に他者に身体的・精神的な危害を加えようとする行動でです。にらむのも、悪口も、脅すのも、殴るのも攻撃です。間違えて足を踏んでしまうのは、攻撃ではありません。
■攻撃の種類
大きく分けて2つの攻撃があります。
1敵意的攻撃(感情的攻撃、衝動的攻撃)
これは、カーっとなって、怒りが爆発して起こる攻撃です。つい子供や部下を怒鳴ってしまったり、居酒屋で友人と喧嘩するようなパターンです。
2道具的攻撃(戦略的攻撃、制御的攻撃)
これは、感情的に怒っているわけではありません。「ちょっと金を貸せ!」「そこはオレの席だ、どけ!」と、怒鳴ったり威嚇したりすることがありますが、金を手に入れるための攻撃、席に座るための攻撃です。
■なぜ攻撃するのか。攻撃行動の目的
さまざまな目的で攻撃をしますが、一つは「防衛」です。何かを守るための攻撃です。なわばりを守る、子供を守る、誰かが近づいてきたら攻撃して追い返そうとするような行動です。
「強制」もあります。無理やりどかしたり、金をださせたり、言うことを聞かせるための攻撃です。前を走る自動車にパッシングしてどかせるのは、この行動です。
「制裁」は、相手に罰を与えようとする行動です。失礼なことをした人をひっぱだくような行動です。相手を苦しめようとする行動です。
「印象操作」のための攻撃行動もあります。大統領が、国民から弱腰と思われないために、他国の大統領に強い言葉を発したり、時には戦争をしかけることもあるでしょう。
近づいてい来る怪しい男をにらみつけるのは、「あっちへ行け」という「強制」でもあり、「私を甘く見るな」という「印象形成」の面もあるでしょう。
これらの攻撃行動に、怒りがないときもあれば、怒りが伴うこともあるでしょう。
■怒りとは
怒り感情には、認知的、生理的、進化的、社会的な怒りがあります。
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