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「理想の暮らし」なんてなくても大丈夫!現実はもっとリアルで地味なのだから

藤原友子小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

ある片づけ講座を受けた時に「理想の暮らしは何ですか?」と聞かれ答えられなかったというMさん(30代 女性)

みなさんは、「理想の暮らしは?」と言われ「自分の理想はこんな暮らしです」とすぐに答えることができるでしょうか?

子どもがいるのにいつも片づいている家? いつ来客があっても大丈夫な家? ホテルみたいな感じ? 冷凍食品やレトルトに頼らず家族のために手づくりをする生活?

私は「理想の暮らし」なんて思いつかなくても全く構わないと思っています。

私たちの毎日の暮らしは本当に地味でリアル

「理想の暮らし」というと少し手が届かないような、憧れのような漠然としたイメージを思い浮かべ、きっとそんなに簡単に叶うわけではないだろうと思ってしまいます。

一方で現実である毎日の暮らしは本当にドタバタして意外と地味で普通なものです。

我が家は、片づいたらこのような感じで写真で見る限り整っていますが、小中高の4人の子どもとの毎日はドタバタしかありません。

朝は食器を洗う時間はないし、仕事が忙しくなるとキッチンカウンターの上にもモノが置きっぱなしになることがよくあります。

私も、素敵だと思う家の雰囲気やスタイルはあっても、「理想の暮らし」と言われるとフワフワ、キラキラした感じでずっとピンときませんでした。

ただ私がこれまで大切にしてきたのは、自分が心地よいという時間を大切にしたり、好きなモノを大事にすること。

玄関の飾り棚は自分の好きなようにしている
玄関の飾り棚は自分の好きなようにしている

「理想」という形がはっきりしないものの形をはっきりさせるより、すでにはっきり目に見えている現実の身の回りの自分の好きなモノやコトを大切にした方が、より早く自分の暮らしに満足することができます。

先ほどのMさんも「理想の暮らし」を考えれば考えるほど現実の生活とのギャップを感じ片づけや掃除が嫌になるので「理想の暮らし」の追求はやめ、

絶対に嫌だというソファに山積みになる洗濯物問題を解消するために、洗濯物は畳まななくていいように干したままでクローゼットへしまうことのできる動線を考え、趣味でコツコツ集めている飾り物を飾るスペースを充実させました。

Mさんの言葉です。

よくはっきりしない「理想の暮らし」を追い求めることに疲れていました。それよりも現実を見つめ「今」大変なことをどうしたらよいか考える方が圧倒的に効率的に家が片づき、不安が少なくなりました。

「理想の暮らし」や「なりたい自分」はなくても大丈夫!

理想の暮らしと現実の間を埋めるのが「片づけ」だと思いますが、価値観が多様化していることもあり「理想」をしっかり形にするのは難しく感じる人もいます。

まずは、リアルな自分の現実の暮らしに目を向け、不快なことは快にすることを考え、好きなモノやコトはより大事にすることをコツコツと続けること、

そんな地味なことを積み重ねると、自分がこれまで探していた理想の暮らしの形や、自分の大切にしたい価値観が見えてくるかもしれません。

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選ぶ暮らしラボ 藤原友子(ふじわらゆうこ)

1975年生まれ 大分県在住 結婚後片づけを始める。2012年整理収納アドバイザー1級。CTB生放送102回9年間出演。セミナー回数100回、受講生2000人以上で片づけの概念が変わると高い評価を受けている。

長男との片づけバトルを通し、まず好きなモノを「選ぶ」ことが片づけには大事だと実感。

現在は片づけに興味があるなし関係なく、自分の人生をよりよくしたい人向けに、モノを選び残す楽しさと選ぶことにより暮らしが充実することを発信し、人それぞれが「自分の選ぶ」を楽しむ時代を作るため活動の幅を広げている。

二男二女の母、決してマメではないため「いつもキレイではないが、すぐに片づく家」をいつも意識している。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』

小中高4人の母/すぐ片づく暮らし

片づけのプロとして活動を始めたのに、自分の家は「片づけても、また散らかってしまう」という矛盾に悩む。家が散らかってしまうことを隠そうとしていたが、「いつもキレイじゃなくてもいい。何かあったときにすぐに片づく家にしておけばいい」と開き直り新たなメソッドを確立。 いつもキレイにしなくちゃいけない、もっと頑張らなくちゃいけない、そんなプレッシャーから解放され、もっと自由に、その人らしく生きるお手伝いを「片づけ」を通して行っている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』(マガジンランド)

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