NASAが主導する月開発計画「アルテミス」を一挙ご紹介!半世紀ぶりに人類が月面へ!
近年は月面探査が激化しており、2024年1月20日にはJAXA月着陸機「SLIM」が日本初の月面着陸に成功したことでも話題になりましたね。
本記事では、NASAが主導し世界各国が国際協力で推進している月開発計画「アルテミス」の全貌をご説明していきます。
■半世紀ぶりの有人月面着陸「アルテミス計画」
NASAのアルテミス計画は、2026年までに人類を再び月面に立たせ、将来の火星有人探査につなげていこうという計画です。日本も宇宙飛行士が搭乗する月面探査車などで協力することを表明しています。
最初のミッションとなる「アルテミス1」は2022年に打ち上げられ、無人の宇宙船の飛行試験に成功しています。続く「アルテミス2」では、2025年9月に宇宙飛行士4名が月周回飛行を行い、地球へ帰還します。そして、2026年9月には「アルテミス3」でいよいよ半世紀ぶりに人類が月面へ降り立つことになります。そして、2030年代後半の火星有人飛行を視野に見据えているとのことです。
それでは、アルテミス計画を構成するロケットや宇宙船をご紹介していきましょう。
■世界最大級のロケット「SLS」
SLSロケットは有人月面探査計画「アルテミス」のために開発された巨大ロケットです。全長は111.3m、直径は8.4mで、22階建てのビルに相当します。アポロ計画で活躍したサターンVロケットに次ぐ、世界最大級のロケットです。打ち上げ形態によっては、130トンもの重量物を地球低軌道上に飛ばすことができます。ちなみに130tonを皆さんの馴染みのあるもので表すと、世界最大の動物「シロナガスクジラ」と同じくらいです!2022年11月のアルテミス1では、無人の新型有人宇宙船である「オリオン」を打ち上げることに成功しました。
■新型宇宙船「オリオン」
宇宙飛行士たちと貨物を月近傍まで送るのは、オリオン宇宙船です。地球低軌道上への輸送を想定して開発されたスペースシャトルの後継機として開発され、船内には乗員4名の搭乗が可能です。
アルテミス1ではSLSロケットで打ち上げられた後、月を通り過ぎ地球の大気圏へ再突入させる無人飛行試験を実施しました。25日間の軌道上飛行を続け、無事に地球へ帰還することにも成功しています。
■月周回有人拠点「ゲートウェイ」
ゲートウェイとは、月の周回軌道上に構築される宇宙ステーションのことです。有人月探査や将来の火星探査の中継地点としての役割も担っており、NASAを中心とした多くの宇宙機関により国際協力体制で開発が進められています。現在の計画では、早くて2024年から建設を開始し、2028年に完成する目標となっています。このモジュールの打ち上げにより、人類は月・火星探査の第一歩を踏み出すことになるのです。
■スペースXの新型巨大宇宙船「スターシップ」
宇宙飛行士を月面へ届けるのは、スペースXが開発中の大型宇宙船「スターシップ」です。このスターシップは、打ち上げロケットであるスーパーヘビーと組み合わせることで、全長120m、直径9m、という超巨大な宇宙船になります。
「アルテミス計画」において重要な役割を担っており、NASAにより有人月面着陸船に選定されました。ゲートウェイからスターシップに乗り込んだ宇宙飛行士は、半世紀ぶりの月面着陸に挑戦することとなるのです。
今回はアルテミス計画の主要な構成要素を簡潔にご紹介させて頂きました。次回からは、それぞれの特徴や将来計画について詳しく解説していきます。
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