シーズン21本目の本塁打は二塁にヘッド・スライディング。両リーグ単独トップを走り、球場記録を更新
6月4日、千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)と菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)が投げ合った試合で、ピート・アロンゾ(メッツ)は、シーズン21本目のホームランを打った。
6回裏、アロンゾは、菊池に代わってこの回から登板したネイト・ピアソンの投球を、レフトへ弾き返した。打球は、フェンスの上部に当たってフィールドに跳ね返ってきたように見えた。レフトのウィット・メリフィールドからの送球よりも早く、アロンゾは、ヘッド・スライディングで二塁に達した。
だが、塁審は、人差し指を立てた右手を上げ、クルクルと回した。ホームランのジェスチャーだ。映像で確認すると、打球は、フェンス上部にあるオレンジのラインの「手前側」ではなく「上側」に当たっている(その奥の壁で跳ね返り、フィールドへ戻ってきた)。アロンゾは、ダイヤモンドの残り半分を、ゆっくりと回ってホームインした。
今シーズン、20本塁打に到達している選手は、アロンゾ以外にいない。この記事を書いている時点で、ナ・リーグの2位は18本塁打のマックス・マンシー(ロサンゼルス・ドジャース)、ア・リーグのトップは19本塁打のアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)だ。
アロンゾの21本目は、メッツの60試合目(出場も60試合)。今後も、2.86試合に1本のペースが変わらなければ、シーズン本塁打は56~57本となる。アロンゾのシーズン最多は、メジャーリーグ1年目の2019年に記録した53本塁打だ。
また、このホームランは、アロンゾがホームのシティ・フィールドで打った通算72本目。5月19日のグランドスラムで並んだ、ルーカス・ドゥーダを追い抜いた。
シティ・フィールドは、2009年にオープンした。ドゥーダは、メッツでプレーした2010~17年に、ホームの388試合で71本のホームランを打った。アロンゾは、289試合で72本塁打だ。
なお、菊池は、トミー・ファムに2本のホームランを打たれた。シーズン被本塁打は17本となり、両リーグ最多のジョーダン・ライルズ(カンザスシティ・ロイヤルズ)と並んだ。
ただ、菊池は、5イニングを投げて2失点にとどめた。一方、千賀は、被本塁打こそブラディミール・ゲレーロJr.に打たれた1本ながら、2回表と3回表に2点ずつを取られ、3イニングを投げることなく降板した。試合は、6対4でブルージェイズが勝ち、白星と黒星は、菊池にも千賀にもつかなかった。