自分を変える「きっかけ」には、意外にそのときの「コンディション」が大事である
今の自分は嫌い。何とか、自分を変えたいと思っている人がいます。もっと行動力をつけたい。もっと能力をアップしたい。もっと感情をコントロールできるようになりたい……。それぞれ、人が持っている悩みは異なります。
そして多くの人が手に入れたいと願っているのが「きっかけ」です。自分を変えるための知識やノウハウが足りないとは、誰も思っていません。もうすでに自分がどうすればいいか多くの人はわかっています。あとはやるだけ。スタートするだけ。でもなかなか始められない。始めても、なかなか続けられない。ですから、何らかの「きっかけ」さえあれば自分を変えられる、と思うのです。
ただ、自分を変えることが成功できた人にインタビューすればわかることですが、多くは特段ドラマティックな「きっかけ」があったわけではありません。
「本を読んでいて、無性にやりたいと思いはじめた」
「テレビを観ていたら、オリンピックの金メダリストがこう言っていた。自分もそうありたいと思った」
このように、誰もが、いつ、どこででも経験するような出来事が、その人にとって重大な「きっかけ」になり得るのです。同じ人の言葉でも、4年前に聞いたときは「茶色」に見え、2年前には「薄い黄色」に見え、半年前には「だいだい色」に見えても、今日聞いてみたら「黄金色」に見えるかもれしれません。
そのときの、あなたの「コンディション」によって変わるのです。ビジネスの世界でも、
結果=能力×コンディション
と言われ、どんなに能力があってもコンディションが最悪であれば、期待どおりの結果を出すことは難しいのです。ちなみに「コンディション」とは体の状態のことだけでなく、心の状態も同様に大切です。まず体のコンディションを整えるには3つの要素を押さえておきましょう。
● 運動
● 睡眠
● 食事
この3要素のうち、私は「運動」が一番大事だと捉えています。「睡眠」と「食事」は人間の原始的欲求ですから、たとえ質が悪くても必ず毎日意識するものです。しかし「運動」は意識しなければやりません。適度な運動が習慣化している人ならよいですが、そうでなければ優先順位を一位として心掛けておきましょう。
次に心のコンディションです。ここで言う「心」というのは「思考」を指します。思考パターンのこと。人の思考パターンは、体のようにコンディションが変わるものではありませんが「インパクト×回数」で良くも悪くも変化していきます。インパクトの強い体験か、同じことを繰り返し体験することで思考メカニズムに変化が起こる、ということです。この3要素も同じ。
● 運動
● 睡眠
● 食事
なのです。
思考を「運動」させましょう。毎日同じことの繰り返しだと、現状維持しようという思考パターンになっていきます。自分の苦手なこと、不得手なことにチャレンジすることで、思考が活性化していきます。いっぽうで「運動」ばかりしていると疲れますので、十分な「睡眠」をとることも重要です。思考ノイズをシャットアウトするのです。現代で言うと、ネットワークを遮断し、瞑想したり、マインドフルネスの状態を一定期間持つことです。
最後に「食事」。定期的に栄養素を補給しましょう。そのためには、素晴らしい「思考」を持っている人との関わりが大切です。怠惰な生活を送っている人、ジャンキーな思考の人とのお付き合いはほどほどにし、新しいことにチャレンジしている人、成長意欲の高い人と接触することです。リアルに会わなくても、SNSで交流するだけでもかまいません。
体だけでなく心(思考)の運動不足、睡眠不足、栄養不足に気をつけましょう。そうすることで、ちょっとした「きっかけ」で大きく自分を変えることができるはずです。素晴らしいチャンスとの出会いを引き寄せることができるでしょう。