安芸キャンプ 全投手がブルペン入り完了《2/12 阪神ファーム》
きょう13日、阪神タイガースの安芸キャンプで予定されていた社会人チーム・四国銀行との練習試合は、残念ながら雨のため中止となりました。日付が変わった頃からもう本降りで、さらに日中の予報も最悪なので仕方ないですかね。とはいえ昨年も、四国銀行との練習試合が中止になっています。昨年はキャンプ最後の日曜日(22日)で、古屋ファーム監督の「四国銀行さんはすごく楽しみにされていたとのことで残念」というコメントを思い出しました。あす14日はJR四国との練習試合の予定です。これは今夜の雨量次第でしょうか。
また、きのう12日の練習を休んだ植田海選手ですが単なる風邪との診断で、きょうはもう元気に練習しています。ご安心ください。インフルエンザでなくて何よりでしたね。
11日の初試合 野手コメント
それでは11日に行われた韓国・ハンファイーグルスとの練習試合で、きのう書ききれなかった4選手のコメントをご紹介します。まず途中出場でヒットを打った、この2人から。なお試合の詳細や掛布監督、投手陣の談話はこちらでご覧ください。<タイガース・掛布監督の初ゲームは完封勝ち!>
原口「超集中」&西田「ホッとした」
この試合、両チームを通じて唯一の長打を放った原口選手。6回裏に代打を告げられる、かなり前から素振りをしていたでしょう?「そりゃもう、次いくって言われたから」。試合前にも「打たないとダメですね、絶対に」と途中出場でのアピールを誓っていたんですが、見事に初球を打っての左中間二塁打。「1打席しかないと思って超集中!」していたそうです。スタメンではありませんでしたが、キャッチャーとしてのブランクで、そこは仕方がないと言います。だからこそ打って、そのチャンスも増やしておきたいところでしょう。
バッティングフォームに関して「映像を見ると、僕の描いた感じとはまったく違って気持ち悪い。だからイメージはいい感じで柔らかくとか気にしてやってるんで、結果が出るようにしていかないと」とのこと。出ましたよ。「続けましょう!」。よろしくお願いします。ちなみに8回の遊ゴロ併殺打もいい当たりでした。1打席に集中していた本人は「回ってこないと思っていた」そうですけど。
西田選手も途中出場で7回に右前打。1本出てホッとしたと、ある記者に言われて「僕もホッとしました」と返したもので、みんな大笑い。「タイミングがまだまだしっかりできないけど、練習から足のつき方やタイミングの取り方を意識してやっています。試合ではタイミングだけ合わせて形を気にせんと、と言われるので思いきっていけるように。ファーストストライクが厳しいコースで、いこうとしてやめられた。ボールが見えていると思います。ファウルもしっかり振れた。インコースの球を振れたというのは、練習でやってきたことがキッチリできたのかな。追い込まれて、去年やったら三振したとこで粘れたし、追い込まれて自然に振れた」
6回の1打席目は、2球目でライト場外の小屋にガツンと当たるファウルを打ち、3球目で中飛と大きな当たり。この飛距離も去年1年間通して努力してきたことが出ているのでしょうか。ことしのキャンプでは毎朝、宿舎から走って球場入りしています。「あと、同級生(板山選手)が打ってたんで!僕も途中からやけど意識した。スタメン外れたのは悔しいです。めっちゃ悔しい!ただ少ないチャンスやからと、結果を欲しがって小さくならずにいけたのでよかった」。負けず嫌いな西田選手らしいコメントですね。
小豆畑「初戦は緊張」&一二三「ユニホームかすった」
6回の表、ショートの植田選手を除いて一斉に守備位置が変わり、その時からマスクをかぶった小豆畑選手は「やっぱり最初の試合は緊張しますね」と振り返りました。ヒットにはならなかったものの、6回2死二塁で初球を打っての三ゴロを掛布監督は「いい打ち方していたよ。右打ちを無理してやってフォームを崩すより、いい形のサードゴロを打っている方がいい」と評価。小豆畑選手が「自分でもよかったと思いますよ」という打席です。
なお9回に走者を一塁に置きながら4番のロサリオ選手を中飛に打ち取り2死、そしてラストバッターを迎えた時にベンチの掛布監督が「アズ、アズ」と声をかけました。何だったの?「最後のバッター、押し込め!と」。なるほど。掛布監督も「弱気になるな。石崎、かわそうとするなと言ったんだよ」とのこと。結果はカウント2-2から146キロの真っすぐで空振り三振!石崎、小豆畑バッテリー&掛布監督の勝ちですね。
一二三選手は先発出場で、4回1死満塁で押し出し死球。阪神タイガースの今季初打点を記録しました。ユニホームをかすっただけみたいですが、このハンファのピッチャーは1死を取ってから制球が乱れ、前の清水選手もストレートの四球だったのです。一二三選手は「ツーボールからあんなとこへ来るか~」と憤慨しながら「僕が出て、次の森越さんは絶対、もっと嫌やったと思いますよ。抜けてきたら…って。ああいうピッチャー、右バッターは嫌ですもん」と力説。
森越選手にも聞いたら「めっちゃ嫌でしたよ~」とのことでした。やっぱり。なお一二三選手は7回の先頭で、次のピッチャーの初球を中前打。森越選手も続いて、板山選手のタイムリーで生還。この回4点を追加する口火を切ったわけですね。打ったのは「真っすぐ」と言っていました。ナイスバッティング!
山本「思わず力が入って…」
では変わって、きのう12日の投手陣のコメントをご紹介しましょう。話題としては山本投手が連日のブルペン入り、横山投手もブルペンへ。そしてルーキーでは、捕手を座らせて投げた竹安投手、ゲーム登板が決まった青柳投手といったところです。
まず山本投手は、9日に個別練習で捕手を立たせたままでのピッチングを始めていて11日もその予定でしたが、受ける側の段取りもあって全体練習中にブルペンへ。この時にもキャッチャーを座らせて、ただし力は控えめに投げています。久保投手コーチが何度も「5割でいけよ。力を入れすぎるな」と声をかけていました。きのう12日も「6割くらいで投げているつもりだったんですが、力が入ってしまいました」と山本投手。
12日は捕手を座らせて38球とのことですが、入団時から言っていたように「もともと立ち投げは苦手なタイプ」で、この日も「座ってもらった方がヒジへの負担も少ないから、無理に立ち投げをする必要はないかなと思って。(捕手が)座って、ゆっくり作っていくという方が好きですね」とのこと。また全体練習の中でブルペンに入る点については「あそこで投げることで、監督やコーチや色んな人に見てもらえるので」とも話しています。
前日と同じ感じ?「そうですね。同じような感じですけど、きょうの方が腕の振りも強かったですね。6割のつもりが8~9割で投げてしまいましたけど」と苦笑い。ただし左ヒジの具合は「きのう、きょうと投げて悪くなっている感じはないので、あすもできれば入りたい」と締めくくりました。
横山は一歩前進、竹安が本格投球開始
昨年11月に右足を手術(第5中足骨骨折)した横山投手が、きのう12日にブルペンへ。ルーキーの望月投手が本隊に合流したため、現時点での別メニューは横山投手のみでした。よって安芸キャンプの投手陣すべてピッチングをしたわけですが、本人いわく「ブルペンに入ったというか、傾斜を確認しただけなので…。そんな深い意味はないんですけど」と恐縮気味。捕手を立たせて20球を投げています。
感覚は?「今ひとつですかねえ」。では、とりあえず1つステップを上がったという感じ?と聞かれ「そうですね!その通りですね!」と嬉しそうな顔。自分の気持ちにピッタリくる言葉だったのでしょう。今ひとつなのは「力も入れてどうかってとこなので」という理由のようで「きょうは20球と決めてありました。ここから上がっていけばいいですけど。焦らず、仲野トレーナーとも相談してやっていきたいです」と話し、右足は?との問いに「大丈夫です」としっかり返事しました。
既にピッチングをしていたルーキーの竹安投手ですが、12日は立ち投げ20球のあと捕手を座らせて20球を投げました。「座ってもらったのは初めてです。立ち投げをしていた感覚が、どちらかというと低めを狙っているけど、高く浮いてしまっていました。でも、きょうは低めを狙って投げられた。球自体はそんなによくなかったけど、バランスはよかったかなと思います」。今後は「きょうの張りがあすどう出るかにもよるので、トレーナーさんと相談して」とのこと。
ところで、竹安投手のブルペンでの写真を3日に初めて撮ったのですが、普段の時や練習中とは顔が違いますね。構えた瞬間にフッと表情がなくなる感じで。「そうですね。意識しています。いいとき自然に出るのはいいんですけど、悪いとき顔に出て“あ、調子悪いな”と相手にわかってしまうので。出すのはプラスの時だけにしたいと思っています」。なるほど、やはり意識してだったんですね。「はい。だいたい、いつも無表情です」と真顔で言うので、少し笑ってしまいました。
青柳、いよいよ実戦登板へ
12日はブルペンで投手陣のピッチングを見た掛布監督。青柳投手について「いいボール放っていますよ。ちょっと“迫る球”を投げるから、右バッターは嫌だと思うよ。あのブルペンのまま、右に投げ切れるか。投球を見ていると気持ちの強さを感じるね」と変わらず楽しみな様子でした。また「あとピッチャーは投げるだけじゃないから。マウンドさばきとかフィールディングとか、いろいろ対応しなくちゃいけない」と話したところで前を通った田面投手を見て、11日の試合でピッチャーゴロを落ち着いて処理したことを褒めた監督。
「ゲームの中での対応力も見極めていかないと。彼のようなタイプは早くゲームでね。ランナーは出ない方がいいけど、逆にランナーが出てどう対応するかも見てみたい」という青柳投手は、きょう12日の四国銀行戦で登板予定でした。「1イニングだな、多分。でもイニングは投げ切らせようと思う。ああいうタイプ、面白いと思うね」。残念ながら中止になったんですが、きょう登板予定だった投手陣はあすのJR四国戦にスライドするようです。
最後に青柳投手のコメント。きのうのブルペンでは「最近抜ける球が多くて、きょうもあったんですけど、それが何で抜けるのかを考えながら投げた」そうです。コースを狙いすぎて?「藤井さんにも、さっき清水さんにも言われました。『コースを狙いすぎてボールってのは、もったいないよ。ゾーンで勝負できる球があるんだから。もっとストライクをポンポン取りにいった方がいいんじゃない?』と。甘い球は打たれる、という意識が強かった。でもプロのキャッチャーの方にそう言っていただいたので、思い切って次はゾーンで勝負したいと思います」
監督が、右バッターには脅威だと話していましたよ。「自分の中でも右はやっぱり抑えないと。監督にそう言ってもらえるのはありがたいし、右に打たれちゃいけないという意識はあります」。次はゲームですね。「1イニングだと思いますが、与えられたところでしっかりやりたい」。やはり試合に備えてセットポジションでの投球を?「そうですね。実戦ではランナーが出ることもあるので。出ないことが一番ですけど、出た時の想定でセットを多くやりました」
手応えは?「ある程度は投げられると思います」と笑顔。そして「真ん中でもいいから、力で勝負したいと思います!」と力強く宣言して、もう一度ニッコリ。一日延びましたが、あの独特のフォームを早く試合のマウンドで見たいですね。お母さんも帰る日を変更して備えていらっしゃるので、きょうの雨が早く、量も少なく上がってくれることを祈ります。