先月就任の打撃コーチ補佐が、早くも球団を去り、別の球団の打撃コーチになる
先月下旬、ニューヨーク・ヤンキースは、2022年のコーチング・スタッフを発表した。そこには、エリック・チャベスの名前もあった。ケーシー・ダイクスとともに、アシスタント打撃コーチを務めることになっていた。
だが、チャベスはヤンキースを去り、ニューヨーク・メッツの打撃コーチに就任するという。1月6日、メッツのビート・ライターであるMLB.comのアンソニー・ディコモらが、一斉にそう報じた。
チャベスは、2000年代にオークランド・アスレティックスで活躍した三塁手だ。2000~05年に6年続けて25本以上のホームランを打ち、2001~06年に6年続けてゴールドグラブを受賞した。こちらはヤンキースのビート・ライターであるNJ.comのブレンダン・クティによると、ヤンキースのアシスタント打撃コーチに就任した直後、アーロン・ブーン監督はチャベスを「スイス製のアーミー・ナイフ」と評したという。打撃だけでなく、守備の指導も期待していたと思われる。
過去にも、チャベスはヤンキースに在籍している。2011~12年はアレックス・ロドリゲスの控えとしてプレーし、2015年はスペシャル・アシスタント・スカウトとしてヤンキースで働いた。一方、メッツに籍を置くのは、今回が初めてだ。ブーン監督だけでなく、メッツのバック・ショーウォルター監督の下でも、プレーしたことはない。ショーウォルターのキャリアについては、「このチームの新監督は「裸族」だった!?」で書いた。
移籍の理由は、アシスタント打撃コーチと打撃コーチの違いも、その一つだろう。ただ、加えて、GMも理由のような気がする。
今オフ、メッツのGMに就任したビリー・エプラーは、2015年10月にヤンキースのアシスタントGMからロサンゼルス・エンジェルスのGMとなった。それから1ヵ月経たないうちに、チャベスもヤンキースからエンジェルスへ移った。そして、エプラーの下で、2020年までアシスタントGM(とAAAの監督代行)を務めた。ヤンキースのブライアン・キャッシュマンGMは1998年から現職にいるので、こちらもチャベスとは旧知の間柄だが、エプラーのほうが関係は深い。