世紀の番狂わせ!ヘビー級統一王者ジョシュアが代理のルイスに衝撃KO負け
ボクシングの世界ヘビー級タイトルマッチが、1日ニューヨークで行われた。
WBA、WBO、IBFの3つのタイトルを持つアンソニー・ジョシュア(英国)が、WBA5位アンディ・ルイス(米国)に4度のダウンを喫し、タイトルを失った。
代理で出場したアンディ・ルイス
当初、対戦予定だったジャーレル・ミラー(米)が、ドーピング違反で出場停止。代理でアンディ・ルイスが抜擢された。
ルイスはアメリカ生まれメキシコ育ち。アマチュア時代は、世界選手権に出場している。
これまでの戦績は、31勝(20KO)KO1敗。2016年にはWBO世界ヘビー級タイトルに挑むが、判定で敗れ王座獲得を逃している。今回が2度目のチャレンジとなった。
ジョシュアにとっては、今回初のアメリカでの試合となり、ヘビー級の対抗王者デオンテイ・ワイルダーとの4団体統一戦に向けて、足がかりとなるはずだった。
小柄なルイスと大柄なジョシュア
試合では、大柄なジョシュア(身長198cm) と、一回り小柄なルイス(身長188cm)。2人の身長差が目立った。
しっかりと鍛え上げられたジョシュアに対し、ルイスは腹の贅肉が目立ったが、動きはスピーディーだった。
試合が始まり、距離を詰めようとするルイスに対し、ジョシュアはジャブをつき、間合いをはかっていく。
2R目になると、ルイスが大ぶりのフックを繰り出しプレッシャーをかけていく。試合が動いたのは3R目だ。
まず、ジョシュアがフックでダウンを奪った。しかし、そこからルイスの反撃が始まる。
左右のフックを振り回す大ぶりのパンチがヒットし、ダウンを奪う。その後も果敢に攻め、2回目のダウンを奪った。
ジョシュアは完全に効いてしまい、足元がおぼつかない。下がりながらパンチを打つため迫力がない。
逆にルイスは前に出て、パンチを集めていった。
そして迎えた7R目。ジョシュアのパンチの打ち終わりに、ルイスのパンチがヒットしてダウン。
その後ダウンを追加して、レフリーストップとなった。
ジョシュアは初のアメリカデビュー戦で、痛恨のKO負けとなった。クリチコ戦で喫した、打たれ弱さを露呈する形となった。
どうなるヘビー級
この試合は世紀の番狂わせと言われた。3つのベルトを持ったジョシュアが、ここで負けるとは誰もが思わなかっただろう。
ボクシングは何が起こるかわからない。今回の試合前のオッズは、1-16の大差だったが、ルイスがそれを覆した。
WBC王者でジョシュアのライバルと言われたワイルダーは、自身のSNSを更新。
「彼は真のチャンピオンではなかった。彼の全キャリアは嘘と矛盾と賜物から成っていた。事実そして今、誰から逃げていたかわかった」
と痛烈に批判した。
ジョシュアとワイルダーは、これまで何度も対戦が噂されたが、実現には至っていなかった。
そのフラストレーションが溜まっていたのだろう。ワイルダー自身が、ジョシュアとの対決を望んでいただけに落胆も大きい。
今回3つのベルトを獲得した、ルイスとワイルダーは共に、敏腕プロモーター、アル・ヘイモン氏のプレミア・ボクシング・チャンピオンズと契約している。
プロモーターが同じだと、対戦が実現しやすい。ヘビー級の4団体統一の機会も近いかもしれない。
この階級には、他にもイギリスの元統一王者のタイソン・フューリーや、ひとつ下のクルーザー級の4団体のベルトを統一したオレクサンデル・ウシクが階級を上げてきている。
ヘビー級が盛り上がると、ボクシング界全体が活性化する。最も重い無差別級で、誰が一番なのか、最強王者の姿が観たい。