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キンブレルがクローザーから外される。史上7人目の400セーブまであと6セーブ

宇根夏樹ベースボール・ライター
クレイグ・キンブレル(ロサンゼルス・ドジャース)Sep 14, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月23日、クレイグ・キンブレル(ロサンゼルス・ドジャース)は、8点リードされた6回表のマウンドに上がった。

 登板間隔が空いていたわけではない。キンブレルは、前日の試合で投げている。MLB.comのホアン・トリビオらによると、この試合の前に、デーブ・ロバーツ監督は、キンブレルをクローザーから外すとコメントしたという。

 直近の2登板、9月19日と22日を含め、自責点を記録した登板は、シーズン全体の3分の1近くに上る。9月22日時点の防御率は4.14だ。22セーブを挙げているものの、セーブ失敗も5度を数える。過去12シーズンとも13.05以上の奪三振率が、34歳の今シーズンは10.77と下落。しかも、前半戦の13.65に対し、後半戦は6.94と急降下している。

 後任のクローザーは定めず、複数の投手による「クローザー・バイ・コミッティ」で臨むらしい。そのメンバーは、エバン・フィリップスアレックス・ベシアブルースター・グラデロールクリス・マーティンといったところだろうか。現在は故障者リストに入っている、ブレイク・トライネンイェンシー・アルモンテも、復帰の時点でクローザーが確定していなければ、ここに加わりそうだ。

 キンブレルは、400セーブまであと6セーブに迫っている。ただ、FAとなる今オフ、クローザーとしてキンブレルを迎え入れる球団があるかどうかは、微妙だろう。

 現役投手ではキンブレルに次ぐ2人、386セーブのケンリー・ジャンセン(アトランタ・ブレーブス)と315セーブのアロルディス・チャップマン(ニューヨーク・ヤンキース)も、順風満帆とはいかない。今シーズン、ジャンセンはリーグ最多の36セーブを挙げているが、失敗も7度と多い。防御率は3.63だ。チャップマンはすでにクローザーではなく、7月以降、セットアッパーというよりも中継ぎとして投げている。2人とも、年齢はキンブレルと同じ34歳だ。

 なお、400セーブ以上は6人。652セーブのマリアーノ・リベラ、601セーブのトレバー・ホフマン、478セーブのリー・スミス、437セーブのフランシスコ・ロドリゲス、424セーブのジョン・フランコ、422セーブのビリー・ワグナーだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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