【京都市東山区】2021祇園祭が神事を終了、本格的に夏到来。静かになった八坂神社にひっそり美人社。
2021年の祇園祭は、7月28日に、八坂神社で行われた「神輿洗式」で、1か月間の神事がすべて終了しました。今年もまた神社内を出ることはなく、舞殿に厳かに飾られていた神輿が神水で清められ、神輿庫に収められました。猛暑が続いていますね。いよいよ本格的に夏の到来といったところでしょうか。8月になって静かになった境内で、改めて来年の開催を祈願してきました。
かつては祇園社、祇園感心院と呼ばれた、現在では、京都のシンボル的存在の八坂神社ですが、祇園祭はこの八坂神社のお祭です。平安時代の貞観11年(869)に京の都をはじめ日本各地に疫病が流行した時、平安京の広大な庭園であった神泉苑に、当時の国数の66ヶ国にちなんで66本の鉾を立て、災厄の退散を祈り、祇園御霊会を催したのが起源とされています。
後に度重なる政争で荒廃する京の町、いくども中断を余儀なくされましたが、そのたんびに、京の町衆の意気込みで復活し、次第に豪華な山鉾が造られ規模も大きく、現在の形へと繋がっていきます。疫病退散の祭りが疫病(新型コロナウイルス)の影響で、ハイライトの山鉾巡行や神輿渡御などが行えなかったのは残念でなりませんが、来年こそはとの思いでいっぱいです。
せっかく来たので境内を散策しました。2020年に、国宝に指定された神社の本殿を通り過ぎて、奥に向かうと、社殿前に神水が湧き出る摂社があります。この神水は「美容水」とされていて、肌の健康はもとより、心から美しく磨かれるとして参拝の人々に親しまれています。 ただし、神社によると2,3摘そっと肌につけるのがご利益があるのだとか。
この美御前社(うつくしごぜんしゃ)には、多岐理毘売命(たぎりびめのみこと)、多岐津比売命(たぎつひめのみこと)、市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)という、美人の誉れ高き宗像三女神が祀られています。中でも、ことに際立つ美人の神が市杵島比売命とされています。神仏が習合の時代には七福神の一神である弁財天や美貌の女神とされる吉祥天とも同神として崇敬されていました。
このことから、美御前社には、財福、芸能、美貌の神としての信仰が生まれました。美への信仰者や美理容関係者からも多く崇拝されています。みなさん、八坂神社へお越しの際はぜひ、この美人の社へもお参りください。
八坂神社美御前社 京都市東山区祇園町北側625番地