【京都市西京区】話題の「全領域異常解決室」で諸林めいさんが演じた市杵島姫命とは! 祀る神社は京都にも
フジテレビ系列で放映され、藤原竜也さん主演、広瀬アリスさんがヒロインを演じる「全領域異常解決室」で現代社会に生きる八百万の神が話題になっていますね。さて、その第5話で、爆弾のありかを見通す千里眼を持つ少女の役を演じたのが、天才子役とも呼び声のある諸林めいさんでした。その正体は市杵嶋姫命(イチキシマヒメノミコト)です。
市杵嶋姫命とは何者か? 日本書紀、古事記では、アマテラスとスサノヲの誓(うけい)によって生まれた「田心姫命(タゴリヒメノミコト)」、「湍津姫命(タギツヒメノミコト)」とともに三女神の一柱だとされています。古事記には、元来は宗像氏(胸形氏)ら筑紫の海人族が古代より集団で祀る神であったと記されています。
この三女神は、日本の九州から大陸に続く古代朝鮮半島への海上交通の平安を守護する神として、玄界灘の島々に祀られ、大和朝廷によって古くから篤く信奉された神々だとか。畿内から九州を経由し渡海した遣隋使や遣唐使もこの三女神が祀られている玄界灘の島々を目印として航海していたといわれます。(以上京都西山郷土史研究家HOTSUU記)
さて、その市杵島姫命を祀る神社は福岡県宗像市の宗像大社を総本宮に、特に皇室とゆかりの深い全国各地の神社に祀られています。京都市内では京都御苑内の白雲神社、宗像神社、西山山麓では、嵐山渡月橋の傍にある松尾大社の摂社「櫟谷宗像神社」などがそれにあたります。
また、日本古代史を専門とする田中史生早稲田大学文学学術院教授が、2023年3月12日に行った「秦氏と宗像の神」の講演の中では、「秦氏本系帳には、秦氏が筑紫胸形坐中部大神を山背国の松尾神社に招請・奉安したことが記されている。この神は大島の姫神とみられる」と語られています。
松尾大社に祀られている中津島姫命(なかつしまひめのみこと)が市杵島姫命の別名だといわれています。筑紫の海人族の姫たちを信奉していたり、宇佐八幡宮神託事件でも北九州の宮に神託を仰いだりと、大和朝廷が北九州と深い縁で結ばれていたことは事実のようですね。
櫟谷宗像神社周辺の大堰川沿いでは、2024年11月16日の早朝、紅葉が色づきはじめていました。歴史ロマンあふれる京都西山へ足を運んでみてください!
「櫟谷宗像神社」(外部リンク)京都市西京区嵐山中尾下町