【京都市中京区】聖徳太子建立の古刹で4日間だけの日本最古の花展と華道史上初江戸初期からの立花瓶公開!
丸竹夷に押御池姉さん六角蛸錦……と続く京の通り名数え歌は有名です。その中にも出てくる六角通は京都中心部の通りと言えます。その中でも通り名の由来と考えられる六角堂には、まさに京の中心と言われる「へそ石」があります。
この石には、平安京造営の際、少し南の方に位置したかつての本堂の位置に道を通すことになり、桓武天皇が本堂に祈願したところ、一夜にして本堂が現在の場所へ移動したとの伝承もあります。あとにはこの礎石がひとつ残されていたのだそう。
そんな京の真ん中にある頂法寺六角堂は、代々「池坊」が住職を務め、室町時代に池坊専応がいけばな理論を確立し、一般に「池坊専応口伝」と呼ばれる花伝書を著したことにより「いけばな」を確立し、「華道発祥の地」として世に知られています。
その六角堂境内にある池坊会館で、2024年11月15日から18日まで、江戸時代から続く最大最古のいけばな展「旧七夕会池坊全国華道展」が開催されます。今年は、
「花 いのち みらい」をテーマに、華道家元四十五世池坊専永家元、池坊専好次期家元、池坊専宗青年部代表をはじめ全国の華道家が集い、期間中、延べ約900作が、池坊会場とすでに始まっている大丸京都店会場の2会場で展示されます。
また今回の見どころとして、華道史上初となる、江戸時代初期から中期の「薄端立花瓶(うすばたりっかへい)」を一斉公開する「友馨 立花の世界」が11月15日(金)~18日(月)の期間、いけばな資料館にて開催されます。3年をかけて池坊中央研修学院三浦友馨特命教授が所蔵する江戸期の立花瓶を展示。第一章となる本年は「薄端」をテーマに花器と作品が披露されます。
今年、喜寿を迎えた三浦教授と池坊中央研究所・いけばな資料館の細川武稔主任研究員に11月14日に会場を案内していただきました。鋳物師や陶工などの名誉でもある「天下一」の称号は、信長や秀吉が与えたことから始まりますが、後に乱用されることになったため、天和2年(1682年)に使用禁止となっているため、その銘のある花瓶はすべて、江戸初期以前のものなのだそう。
ずらっと居並ぶ作品は、同じような花瓶のようで、よく見ると、鋳物師たちの遊び心とも取れる龍虎や像など耳や鐶の違いなどがあって見ごたえがありました。近衛家など大家の所蔵だったものが多く、戦時中も銅供出を免れたようです。因みに細川主任によると六角堂の鐘は供出を免れなかったといいます。
所蔵の数百点の内、59点がこの第1章で公開され、うち選りすぐりの5点が池坊へ寄贈されました。三浦教授は、「江戸中期までに様々な花瓶が生み出され、立花の発展に大きな影響を与えてきたことを実際に見て知ってほしい」と語って下さいました。
会期は限られていますが、実際に銅器に生けられた立花も圧巻です。立ち寄られてみてはいかがでしょうか!
紫雲山 頂法寺 六角堂(外部リンク)京都市中京区六角通東洞院西入堂之前町 075-221-2686