リニア2027年の開業を断念、早くとも2034年以降まで延期 その問題点とは?
JR東海が開発を進めているリニア中央新幹線は、2027年に品川-名古屋間の運用開始を目標としていました。しかし3月29日、JR東海は2027年の開業を断念、2034年以降の開業へ延期となることを発表しました。
リニア中央新幹線に一体何が起こっているのかについて解説していきます。
■リニア中央新幹線ってどんな乗り物?
最近では地球温暖化対策として、二酸化炭素を低減する取り組みが活発に行われています。日本は2050年には、二酸化炭素排出量を2005年と比べて半減させる目標を掲げているのです。これは世界でも同じ流れとなっており、CO2の排出に大きな割合を占めている、輸送エネルギーの低減についても研究が進められています。
日本でも磁力を利用し車両を浮かせて移動する、リニア中央新幹線の開発が進められています。リニア中央新幹線は環境にやさしく、CO2排出量は航空機の三分の一に抑えることができるとも言われています、更に、最高時速600kmという新幹線の2倍を超える速さで移動することができ、東京と大阪間もわずか1時間しかかからないほどです。リニア中央新幹線は、東京~名古屋間を2027年までに、大阪~名古屋間を2045年までに開通する計画が進められていました。
■環境問題における懸念から開業が7年延期!?
しかし、皆さんも報道などで目にしたことがあると思いますが、リニア中央新幹線の開発には多くのトラブルが発生しているのです。
リニア中央新幹線が通るルートはその86%が地下トンネルとなります。その中でも、静岡県を通る南アルプストンネルの建設を巡って、環境問題などの懸念から静岡県から着工の許可が得られていないためです。具体的には、トンネルの建設にあたり元々あった河川の生態系を破壊することが挙げられています。その他にも、工事で発生する土砂の処分先が決定していないなどの課題も残っているのです。
このため、一般に10年かかるトンネル掘削工事を今始められたとしても、開業できるのは2034年以降となってしまうのです。これらの事態を受け、JR東海はリニア中央新幹線の開業を2034年以降に延期することを発表しました。
一方、中国では2002年には既に上海リニアを開通しており、最高時速500kmで走行する車両が実用化されています。2021年には、日本のリニアに迫る時速600kmのリニア車両が完成しているとのニュースもでています。果たして日本のリニア中央新幹線開発は、今後どのようになっていくのか、目が離せませんね。
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