「iPhone 6」効果でアップルのシェア拡大 日本、米国、英国、オーストラリアで40%達成
英国の市場調査会社、カンター・ワールドパネルが12月3日までにまとめたスマートフォンの販売統計によると、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」は世界の主要市場で販売を伸ばしている。今年9月に発売した「iPhone 6」と「同6 Plus」の売れ行きが好調で、同社のシェア拡大に寄与したという。
日本のシェアは主要9カ国で最大
カンター・ワールドパネルは欧州5カ国(英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン)と、日本、米国、オーストラリア、中国における今年8〜10月のスマートフォン販売データをとりまとめた。
それによると、日本を除く8カ国ではいずれも米グーグルの「アンドロイド(Android)」搭載端末の販売台数シェアが50%を上回っており、同OSの地位は依然盤石だ。
だが8〜10月は、iPhoneのシェアが米国で41.5%、オーストラリアで40.4%、日本で48.0%となり、いずれも40%を上回った。このうち米国のシェアは1年前の同じ期間に比べ0.7ポイント増え、オーストラリアでは同5.4ポイント増えた。
一方、日本では同13.1ポイント低下したが、これは「iPhone 5s」と「同5c」を発売した昨年8〜10月期のシェアが61.1%と著しく高かった反動。日本のiPhoneのシェアは今年8月までの3カ月間と比較すると20.9ポイント増えている。日本のシェアはカンター・ワールドパネルが調査した9カ国の中で最も高かったという。
中国の機種別販売ランキングで3位に
中国におけるiPhoneの販売台数シェアは15.7%で、前の年の同じ期間から0.2ポイント、今年6〜8月期からは1.5ポイント増えた。
iPhone 6と同6 Plusは、9月19日の世界10カ国・地域での発売を皮切りに、同月26日には欧州各国、ロシア、ニュージーランド、台湾など約20カ国・地域で発売された。だが、中国で発売されたのは10月17日。つまり、この調査に反映されたiPhone 6と同6 Plusの販売期間は、日・米・欧州が1カ月強だったのに対し、中国はわずか10日余りだ。
だがカンター・ワールドパネルによると、それでもiPhoneは中国で販売を伸ばしており、iPhone 6は同国の10月の機種別販売ランキングで3位になった。
ただし、中国でスマートフォンの販売台数が最も多いのはシャオミ(小米科技=Xiaomi)だ。10月の機種別販売ランキングで1位になったのは、同社の5.5インチ端末「紅米Note(Redmi Note)」だった。
英国でほぼ4割のシェア、過去最大
欧州5カ国におけるiPhoneの販売台数シェアは20.7%で、1年前から5.9ポイント増えた。iPhoneはとりわけ英国で伸びており、同国における販売台数シェアは同10.4ポイント増の同39.5%と、過去最大を記録した。
なお英国のiPhone購入者のうち、約86%はアップルのユーザーで、旧モデルからの買い替え。韓国サムスン電子製品からの乗り換えはわずか5%だった。また英国ではiPhone 6と同6 Plusの販売比率は4対1だった。
これに対し米国におけるiPhone 6と同6 Plusの販売比率は3対1。カンター・ワールドパネルによると、6 Plusの購入者はiPhone 6の購入者よりも年齢が高い傾向にある。
(JBpress:2014年12月5日号に掲載)