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一週間ほどの一時的な寒さ

饒村曜気象予報士
寒気の流入を示す日本海の筋状の雲(12月4日15時)

冬型の気圧配置

 オホーツク海には発達した低気圧があり、大陸に中心を持つ高気圧が西日本に張り出しています。

 このため、日本付近は西高東低の冬型の気圧配置が強まり、強い寒気が南下しています(図1)。

図1 予想天気図(12月5日9時の予想)
図1 予想天気図(12月5日9時の予想)

 日本海には、寒気の南下を示す筋状の雲がみられますが、その雲は大陸に近い海域から発生しています(タイトル画像参照)。

 南下する寒気が強いほど、大陸に近い海域から筋状の雲が発生しますので、今回の寒気は強い寒気と言うことができます。

 北日本では、日本海側を中心に雪を伴って強い風が吹き、6日にかけて降雪も強まりますので、大雪にも注意が必要です。

 ただ、このまま真冬に向かうわけではありません。

札幌の気温

 札幌の11月からの気温変化を見ると、平年値を挟んで気温が高い期間と低い期間が周期的に出現していましたが、11月24日に最高気温が15度以上と、この季節にしては高い気温を観測したあと約10日で真冬日(最高気温が0度未満の日)になるまで気温が急降下しています(図2)。

図2 札幌の最高気温と最低気温(11月~12月)(12月5~11日は気象庁、12月12~20日はウェザーマップの予報)
図2 札幌の最高気温と最低気温(11月~12月)(12月5~11日は気象庁、12月12~20日はウェザーマップの予報)

 しかし、来週になると気温が急上昇し、その後しばらく平年より気温が高い日が続きます。

 これは、冬型の気圧配置が緩んで低気圧が接近して南から暖気を持ち込み、その後しばらくは北から強い寒気が南下しないからです。

 札幌の16日先までの天気予報を見ても、来週半ばには最高気温が10度近くまで上がって雨となり、その後は晴れが多い天気が続く予報です(図3)。

図3 札幌の16日先までの天気予報
図3 札幌の16日先までの天気予報

 降水の有無の信頼度は、5段階で一番低いEがありませんので、まずまず信頼できる予報です。

新潟と東京の天気

 東京の11月の気温を見ると、気温が高い期間と低い期間が周期的に出現していましたが、気温が低くなっても平年並みでした(図4)。

図4 東京の最高気温と最低気温(11月~12月)(12月5~11日は気象庁、12月12~20日はウェザーマップの予報)
図4 東京の最高気温と最低気温(11月~12月)(12月5~11日は気象庁、12月12~20日はウェザーマップの予報)

 11月の終わり頃から気温が平年より低くなりましたが、現在は晴れて日照があったため一時的に気温が上がりました。

 しかし、北日本を襲っている寒気が南下するためこれから寒くなります。

 ただ、来週の半ば以降に気温が平年を上回り、その後平年より気温が高い日が続くのは札幌と同じです。

 日本海側の新潟と、太平洋側の東京の16日先までの天気予報は対照的です(図5)。

図5 新潟と東京の16日先までの天気予報
図5 新潟と東京の16日先までの天気予報

 降水の有無の信頼度は、5段階表示で一番低いEが混じっている予報ですが、新潟では雨や曇りの日が多く、東京は晴れの日が多い天気予報となっています。

 気温は高めに経過しますが、冬の典型的な天気分布の12月になりそうです。

タイトル画像、図2、図4の出典:ウェザーマップ提供。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図3、図5の出典:気象庁資料、ウェザーマップ資料をもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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