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日本代表リーチ マイケル主将、ワールドカップ開幕前に「緊張」。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
晴れ舞台はすぐそこ。(写真:ロイター/アフロ)

 ラグビーワールドカップ日本大会が9月20日、開幕。東京・味の素スタジアムでのオープニングゲームでロシア代表と戦う日本代表は、18日、同ゲームの出場メンバーを発表。それを受け、2大会連続主将のリーチ マイケルが会見した。

 会見終盤には、記者の「リラックスしているように映る」といった問いに「緊張しています」と応答。自国開催で重圧のかかるさまを客観視しているようだった。

 以下、共同取材時の一問一答の一部。

――4年前のイングランド大会での南アフリカ代表戦勝利は、日本ラグビー界にどんな影響を与えましたか。今度の日本大会はどんな大会になるか。

「2015年は誰もが日本を負けると思っていた。日本国民も含めて。しかし南アフリカ代表に勝って一気に注目が集まり、次のスコットランド代表戦は1300万人の人が観ました。その時は残念ながら負けましたが、今回、再戦。インスピレーションを与える準備がある。今回は日本代表にとって最高のワールドカップになると思います」

――メンバー編成について。ナンバーエイトとウイングがいつもと違いますが、この編成への期待感は。

「バックロー(フォワード第3列)は層が厚い。特にナンバーエイトではいつもの練習から姫野(和樹)とナキ(アマナキ・レレイ・マフィ)がやり合っています。今回、ナキが怪我で出られない(9月6日の南アフリカ代表戦で肩を故障。メンバーを固める際の練習へフルコミットできなかったと首脳陣に判断されたため、今回はメンバー外となった)。姫野には大きなチャンス。プレッシャーに強い選手なのでやってくれると思います。彼(姫野)のいいところは、常にチームにいい影響を与えること。ボールキャリーで前に出て、チームにいいメッセージを与える。

(ウイングでは)マノ(ロマノ レメキ ラヴァ)と(福岡)堅樹は、どっちも足が速い選手。正直、どちらが出てもいい(プレーをする)と思います。(今度先発する)マノにとっては、これは大きなチャンス(福岡は負傷欠場)。このチャンスを活かして欲しいと思います」

――日本代表はかねがねピークをワールドカップ本番に合わせて高めると言っていたが、ピークに達しているか。

「ピークに近いです。前回の南アフリカ戦でやるべきことがクリアになったし、ピークに近い状態です。1試合1試合でステップアップして、クォーターファイナルに上がると思います」

――チームメイトへのスピーチは。

「私たちはワールドカップへのアプローチは非常にうまくいっている。4年間準備したうえで、明日の夜は皆に『エンジョイしよう』と伝えたい。私たちはここに来る権利があった。だから『エンジョイしよう』と言いたいと思います。特にトークは必要ない。ベストを尽くすということです」

――対ロシア代表で警戒すること。

「一番、怖いのは、相手のメンタリティ。格闘技を見ていても、ロシアの選手は強い。相撲でも強い。そういうメンタリティでかなり圧力を感じると思います」

――フッカーには堀江翔太選手が復帰。

「バックローと同じく、フッカーの争いも激しい。坂手(淳史)、北出(卓也)、堀江さんとも同じようにプレーができる。堀江さんは声の質が特に高く、堀江さんがいると安定感があります」

――ロシア代表のフォワード、どこに注意するか。

「ロシア代表の一番強いところはボールキャリア。相手がダッシュして走ってくることを気を付けないといけない」

――いつもメディアはこれくらいいるのか。

「いつもこうではありません、誇りを持っています。日本代表は非常に多様性のあるチーム。お互いに影響し合って、日本ラグビーは毎年よくなっている。そのなかで主将を務められることには誇りに思っています」

――2019年9月19日。南アフリカ代表に勝って丸4年になります。

「振り返ってみると、(ヘッドコーチが)エディー・ジョーンズからジェイミー・ジョセフになった時、トランジション(切り替え)で時間が必要でした。でも、この4年間、一番成長した部分はリーダーシップグループとメンタリティです。プラス、サンウルブズ(国際リーグのスーパーラグビーに日本から参戦)ができてから、より自信がつきました。日本の選手が大きな相手を倒すのに、勇気あるプレーができるようになりました」

――リラックスしたいい顔をしているように映る。コンディションは。

「すごく緊張しています。(会見場は)いつも以上に人が多いので。…そうですね。緊張はしています。でも練習の時からミスしまくっているし、とても緊張しています。身体の状態は良くなっているので、金曜日にしっかりパフォーマンスを出せるように頑張りたいです」

 キックオフ時間は19時45分。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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