SEALDsがハチ公前ジャック、野党議員らが「安倍政権打倒」で共闘宣言-安保法制「成立」から一ヶ月
安保法制が「成立」したとされた先月19日から今日19日で一か月。先月、夜明けまで国会前で抗議活動を続け、「むしろこれからだ!」と今後も安保法制への反対行動を続けていくことを誓った、学生団体「SEALDs」「T-nsSOUL」や野党の議員たち。その言葉通り、彼らは再び行動を起こし始めている。今月18日、SEALDsの主催で渋谷ハチ公前での街宣アピールが行われ、野党5党の議員らが駆け付け、来年夏の参院選で共闘し安倍政権を倒すことを、集まった人々の前で約束した。
「安保法制を、成立したことにしてはいけません!」そう訴えたのは、社民党の福島瑞穂参議院議員。「手続き無効、違憲無効です。参院特別委員会で、地方公聴会の報告も無しに採決してしてしまったことなど、これまで一度もありません。採決もあの混乱の中で通常の手続きにそって行われたかのように議事録が改ざんされています」「そもそも安保法制自体が憲法に違反します。憲法に反する法律は無効です」と採決の手続き面からみても、合憲性からみても、安保法制を廃止すべき、と語った。
続いて民主党の小川敏夫参議院議員が登壇。政府が提出する法案の合憲性をチェックする内閣法制局の長官を安倍政権が挿げ替えたことやNHK人事で安倍政権に近い役員を経営陣に送り込んだことなどをあげ、「安倍政権は民主主義を踏みにじっている」と指摘した。民主党からは福山哲郎参議院議員も参加。「来年夏の参院選で、安倍政権を倒すために力を与えて下さい!」と、有権者の行動こそが重要なことを呼びかけた。
参院選での野党同士の選挙協力を呼びかけている共産党からは小池晃参議院議員がマイクを握った。「今年6月、SEALDsがここ渋谷で行った街宣に野党各党の議員が参加した。そこから野党共闘は始まりました。選挙協力について、野党各党の政策が違うとか、共産党が嫌いだとか、そんなことを言っている場合でしょうか?憲法を守らない政府を倒す。今はそのことが一番優先すべきでしょう!」
維新の党からも、小野次郎参議院議員が発言。「安保法制審議でも追及しましたが、これまで世界の戦争で発動された14例の集団的自衛権、ベトナム戦争やハンガリー動乱への介入など、どれをとっても、自国防衛のためではありません」と安保法制は日本の安全保障のためではないことを強調した。
生活の党と山本太郎と仲間たちからは玉城デニー衆議院議員が地元の沖縄から駆けつけた。辺野古への普天間基地移設問題で沖縄県民を裏切った前知事の仲井真弘多氏を「オール沖縄」の結束の下に翁長雄志氏が破って知事になったことに触れ、玉城議員は「選挙で嘘をつく人は次は絶対に当選させないというのが本筋です!」と呼びかけた。自民党は、先の総選挙では安保法制をまったく争点としていなかった、いわば後出しジャンケンだった上、各地方では「TPP断固反対」「脱原発」と書かれた、選挙ポスターが貼りだされていた。
野党議員らは互いに握手し、あらためて共闘をアピールすると、ハチ公前に集まった人々からは大きな拍手が送られ、「野党は共闘!」のコールが繰り返しあがった。
(了)
*写真の無断使用を禁じます。