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SNSで話題沸騰!「きつねうどん」と思いきや…柴犬はなぜカップ麺風ベッドで寝るのか?

石井万寿美まねき猫ホスピタル院長 獣医師
(写真:アフロ)

ゆきちゃんは、2017年4月14日生まれの女の子で、3歳の柴犬です。きつねうどんのカップ麺風のベッドに入って寝ている姿を投稿すると、45万以上の「いいね」を獲得。なんともかわいい画像です。なぜ、ゆきちゃんは、このカップ麺風ベッドに喜んで入っているのか? を解説します。

twitter @n0qTVdKQKf4r0Qtから
twitter @n0qTVdKQKf4r0Qtから

動画もあります(飼い主の方の許可を得て掲載しています)。

カップ麺風のベッドで寝ているゆきちゃんは、「きつねうどんいかがでしょうか?」の投稿で一気に人気が出ました。

ゆきちゃんの毛の色が、きつねうどんの油あげの色に似ていたのもよかったのですね。もちろん、柴犬は、元来は狩猟犬として知られ、活発な性格です。一方、ゆきちゃんは、おっとりした表情ですね。飼い主の愛情をたくさんに受けているので、余計に優しい顔になります。保護された野良猫なども飼い主に心のこもった世話をされると、おったとりした顔に変わりますからね。

なぜ、ゆきちゃんは、カップ麺風のベッドに入ってくれるのか?

以下のような研究があります。

研究論文の責任著者であるアリゾナ州立大学のクライブ・ウイン教授は、「一連の研究成果で最もすばらしいのは、犬が本当に人に気をかけていることを示した点だ。多くの犬は、訓練を受けていなくても、苦しんでいる人々を救おうとし、助けることができなければ、動揺することがわかった」と述べている。

出典:「犬は訓練を受けなくても苦しんでいる飼い主を救おうとする」との研究結果

つまり、犬は飼い主の思いをよくわかっているのです。ゆきちゃんは、ベッドを買ってもらったし、これで寝てみようかな、と考えたのでしょう。

昭和の時代、柴犬のような10キロ程度の犬は、庭で飼うことが一般的でした。いまのように、室内飼いの子や飼い主と一緒に寝ている子は、少なかったです。ゆきちゃんのSNSを覗くと、階段の下で寝ていたりもします。それも「ヘソ天」なので、安心しきっているのですね(ヘソ天だと、敵が来たときに、すぐに逃げられないです。ひっくり返って、起きるので、時間がかかります。敵がいなくてリラックスしているときに、この体勢で寝ます)。まさに、ゆきちゃんは、家族の一員なのですね。飼い主の気持ちを理解して、カップ麺風ベッドに入ると喜ぶので寝てくれるようになったのでしょう。

犬は、飼い主が喜んでいるのが好き?

私たちの病院は、がんの治療を多くしています。

犬のがんは、人と同じで命にかかわる病気です。その犬の治療をするときに、飼い主と私が、犬は言葉がわからないだろうと、深刻な表情をしていると、犬は機嫌が悪くなり治療がしにくいことが多いです。一方、およそ20分かかる治療中、まったく違う話(好きなドラマの話やワイドショーの話題など)をしていると、犬もリラックしておとなしくしています。たわいのない話をして、飼い主が笑い出すと、犬も笑っているのかな? と思うほど機嫌がいいです。

まとめ

柴犬・ゆきちゃんの飼い主は、毎日のようにSNSにゆきちゃんの動画や画像を配信されています。そして、たくさんのユーザーから「いいね」をもらっているので、飼い主の機嫌がいいのをゆきちゃんはわかっているのでしょう。

このゆきちゃんの「きつねうどんいかがでしょうか?」の話題が、米国でも紹介されていました。室内飼いが増えている日本では、これからSNS上に、人気者になる犬が増えていくのでしょうね。

まねき猫ホスピタル院長 獣医師

大阪市生まれ。まねき猫ホスピタル院長、獣医師・作家。酪農学園大学大学院獣医研究科修了。大阪府守口市で開業。専門は食事療法をしながらがんの治療。その一方、新聞、雑誌で作家として活動。「動物のお医者さんになりたい(コスモヒルズ)」シリーズ「ますみ先生のにゃるほどジャーナル 動物のお医者さんの365日(青土社)」など著書多数。シニア犬と暮らしていた。

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