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大谷翔平はすべてのホームランを右投手から打ち、左投手からは0本。もっと極端な打者もいるが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・シュワーバー(シカゴ・カブス)Aug 4, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)はここまで、すべてのホームランを右投手から打っている。右投手からの13本に対し、左投手からは0本だ。

 今シーズン、10本以上のホームランを打ちながら、左投手から0本の選手は、大谷を含めて5人いる。全員が左打者だ。大谷の13本は、22本のカイル・シュワーバー(シカゴ・カブス)と19本のジョク・ピーダーソン(ロサンゼルス・ドジャース)に次ぎ、ア・リーグでは最も多い。

筆者作成
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 ただ、大谷以外の4人はルーキーではなく、過去には左投手からもホームランを打っている。例えば、シュワーバーは通算68本中5本、ピーダーソンは81本中8本がそうだ。

 また、4人とも、ルーキー時代に左投手からホームランを記録している。カーティス・グランダーソン(現トロント・ブルージェイズ)とピーダーソンの場合、左投手から初めてホームランを打ったのはメジャーリーグ2年目だが、2人とも1年目の出場は20試合に届かず、翌年にルーキー資格を持ち越した。また、グランダーソンもピーダーソンも、1年目は相手の左右を問わず、ホームラン自体がまったくなかった。

 それぞれ、対左のメジャーリーグ初アーチは、コリー・ディッカーソン(現ピッツバーグ・パイレーツ)が対右も含めた4本目、シュワーバーとグランダーソンが5本目、ピーダーソンは13本目だった。大谷はすでに、対右だけで13本に達している。

 来シーズン以降のことを考えれば、エンジェルスは、大谷が左投手と対戦する機会をもっと増やすべきではないだろうか。今秋のポストシーズンに進出するチャンスは、消え失せたと言っても過言ではないのだから。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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