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主な新興国/米国経済ニュース(7月24日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

中国の吉利汽車、ベラルーシ2社と自動車生産の合弁会社設立で合意

中国自動車大手の吉利汽車の親会社、浙江吉利控股集団はこのほど、ベラルーシの運搬・土木機械大手ベラーズ(BelAZ)とソユーズの2社と合弁会社を設立し、ベラルーシで吉利汽車の自動車を生産することで合意した。モスクワ・タイムズ(電子版)が22日に伝えた。

合意では、吉利汽車はSUV(スポーツ用多目的車)の「EX7」やセダン車「SC7」、ハッチバック車「SC5」、クロスオーバー車「LC-CROSS」の4車種を合計で年間12万台生産し、一部はベラルーシ国外にも輸出する。将来的には増産体制に移行し、ロシアやウクライナなどCIS諸国(バルト3国を除く旧ソ連12カ国)に輸出したい考え。今回の自動車分野での中国とベラルーシとの合弁事業は今回が初めてとなる。

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ロシア国営地質調査ルスジオロジー、国内石油・ガス大手と合弁事業で協議中

ロシア国営地質調査大手ルスジオロジーは、石油大手ルクオイルや国営石油最大手ロスネフチ、国営天然ガス最大手ガスプロムの3社と合弁会社を設立する方向で協議を進めている。ロシアのプライム通信(電子版)が22日に伝えた。

これはルスジオロジーのロマン・パノフCEO(最高経営責任者)が明らかにしたもので、ルクオイルとはカスピ海で、また、ロスネフチとは西シベリアのバゼノフスカヤ地層で、それぞれ合弁事業を計画している。ガスプロムとの間では、まだ具体的な合弁事業の対象地域は決まっていないという。ルスジオロジーでは2013年と2014年の会社全体の売り上げ規模を100億ルーブル(約310億円)以上にしたい考えだ。

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インドネシアのアンタム、豪州同業大手とニッケル精錬所を共同建設へ

インドネシア国営のニッケル世界最大手アネカ・タンバン(アンタム)は22日、豪州の同業大手ダイレクト・ニッケルと共同で、インドネシアでニッケル鉱石(ラテライト鉱)の製錬工場を建設することで合意したことを明らかにした。ジャカルタ・グローブ(電子版)が伝えた。

合意に基づいて、両社は豪州パースにあるダイレクト・ニッケルの試験プラントで、アンタムが供給する200トンのニッケル鉱石を製錬する。この試験結果を踏まえて、両社はインドネシアでニッケル精錬所の建設地点を決めたいとしている。アンタムでは、ダイレクト・ニッケルの技術導入によって生産効率を高めることが可能になるとしている。

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キヤノン、ベトナム・ハノイに同社3番目の直販店オープンへ

キヤノン<7751.T>は22日、ベトナムのハノイ市内に、ベトナムでは3番目となる直販店「イメージスクエア」を26日にオープンする計画を明らかにした。地元オンライン・ニュースメディア「ベトナム・インベストメント・レビュー」が伝えた。

現在、直販店はホーチミンとハノイに各1店舗がある。キヤノンによると、今回の新店舗の開設は2014年までにベトナムに15店舗を開設する計画の一環だとしている。新店舗はハノイ西部のロイヤル・ビンコムシティ・グエン・トライにオープンし、キヤノンの最新の製品やさまざまな顧客サービスを提供する。

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米半導体TI、4‐6月期1株利益は予想上回る58セント

米半導体大手テキサス・インスツルメント<TXN>が22日に発表した13年4-6月期決算は、最終利益が前年比48増の6億6000万ドル(約660億円)、1株利益(希薄化後)も同53%増の58セントとなり、アナリスト予想の41セントを上回った。一方、売上高は同9%減の30億5000万ドル(約3050億円)と、減収となり、アナリスト予想の30億6000万ドル(約3060億円)も下回った。

利益面で大幅増益となったのは、成長が見込めるワイヤレス事業への集中戦略に基づいて、ワイヤレス・コネクティビティ(無線接続)技術の顧客への移転からの一時的な利益が寄与したもので、1株利益を16セント押し上げたとしている。

テキサス・インスツルメントは今期(7-9月)の業績見通しについて、売上高は前回予想時の32億ドル(約3200億円)から30億9000万-33億5000万ドル(約3090億‐3350億円)へ上方修正した。1株利益も前回予想の51セントから今回は49-57セント(中心値53セント)に上方修正した。

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米ネットフリックス、4‐6月期は増収増益―1株利益予想上回る

米オンラインDVDレンタル・映像ストリーミング大手ネットフリックス<NFLX>が22日に発表した4‐6月期決算は最終利益が前年比5倍増の2億9500万ドル(約295億円)、1株利益も4.5倍増の49セントとなり、アナリスト予想の40セントを上回った。一方、売上高は同2倍増の10億6900万ドル(約1070億円)となり、アナリスト予想と一致した。

同社の映像ストリーミングの契約者数は6月末時点で、全世界40カ国で120万人増の3780万人となった。そのうち、米国で半分以上の63万人増となった。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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