「阪神甲子園球場」に本籍は置けるのか? #本籍 #本籍地 #戸籍
「本籍とはなんですか?」と聞かれて答えられる人は少ないと思います。実際に、多くの方は生涯で本籍について意識するのは、結婚や離婚、親の相続のときくらいでしょう。
このように、滅多に考えることのない本籍ですが、あえて今回はスポットライトを当ててみたいと思います。今年のセ・リーグを制した阪神タイガースの本拠地・阪神甲子園球場や昨日近海で地震が発生した鳥島を本籍にできるのかなど探ってみたいと思います。
「本籍」とは
本籍とはズバリ「戸籍のある場所」のことをいいます。日本国内の地番がある場所であればどこでも置くことができます(戸籍法6条)。
本籍は戸籍の「本籍」の欄に記載されて、筆頭者氏名とともに「戸籍を表示する方法」として用いられます。なお、戸籍簿を管理している市区町村のことを本籍地といいます。
戸籍法6条(戸籍簿)
戸籍は、市町村の区域内に本籍を定める一の夫婦及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。ただし、日本人でない者(以下「外国人」という。)と婚姻をした者又は配偶者がない者について新たに戸籍を編製するときは、その者及びこれと氏を同じくする子ごとに、これを編製する。
「住所」とは関係ない
したがって、日本国内であれば現住所と全く関係のない場所でも本籍を置くことができます。引っ越すたびに本籍を住所地に移動する人がいますが(本籍を移すことを転籍といいます)、その必要はありません。
「阪神甲子園球場」は本籍にできるのか?
日本国内の地番がある場所であればどこでも置くことができるということは、次のような場所にも本籍を置くことができます。
著名な場所
・皇居:東京都千代田区
・国会議事堂:東京都千代田区
・阪神甲子園球場:兵庫県西宮市甲子園町
・東京ドーム:東京都文京区後楽
無人島
・猿島:横須賀市猿島
領土問題の対象となっている地域
・竹島:島根県隠岐郡隠岐の島町竹島
したがいまして、阪神甲子園球場を本籍にすることはできます。
「鳥島」は本籍にできない~所属未定地域とは
日本国内の地番がある場所であればどこでも置くことができるということは、どの市区町村にも属していない領域には本籍を置くことができないということを意味します。このどの市区町村にも属していない領域のことを所属未定地域といいます。冒頭でご紹介した鳥島は所属未定地域のため、本籍にすることはできません。所属未定地域は次の場所があります。
所属未定地域等
・東京都:鳥島(伊豆諸島)
・東京都:ベヨネース列岩(伊豆諸島)
・東京都:須美寿島(伊豆諸島)
・東京都:嬬婦岩(伊豆諸島)
・愛知県:名古屋港口埋立地
・和歌山県:鰹島(東牟婁郡)
・福岡県:羽島(北九州空港西方)
・鹿児島県:鷹島(甑島南方)
・鹿児島県:津倉瀬(宇治群島北東方)
いかがでしたでしょうか。本籍について知っていたらどうなるということもないのですが、この記事を読まれた熱狂的な阪神ファンの方の中には、ひょっとしたら甲子園球場に本籍を移す方が出るかもしれませんね。