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ロジカルシンキングを鍛えるには、いつも「反対の言葉」を考える習慣を身に付けるべき

横山信弘経営コラムニスト
(写真:アフロ)

私は企業の現場に入って目標を「絶対達成」させるコンサルティングをしています。短期的に目標を達成させるのではなく、中長期的な視点で目標を「絶対達成」させるよう組織変革を促します。そのため、必ず求められるのが「再現性」。たまたまうまくいった、という状態を作るのではなく、私たちコンサルタントがいなくなったあとでも継続的に目標達成できる組織に生まれ変わるための施策を常に考えます。したがって、論理的に物事を考える思考力は不可欠です。感覚的な判断や意思決定が「再現性」を裏付けるはずがないからです。

現場に入っていると、ロジカルに物事を考えられない人にたくさん出会います。マトリックス図やフレームワークを使った高度な分析、仮説立案ができない、ということではありません。日常的な意思決定のほとんどが自分本位の感覚に頼っているケースが多い、ということです。

ロジカルシンキング(論理的思考力)を鍛えるために、まずは情報の整理をする習慣を身につけることです。私がお勧めする習慣は、「反対の言葉」を連想することです。「対義語」「反意語」のことです。「反対」という表現にしっくりこない人は「対(つい)となる言葉」としてもいいでしょうね。

たとえば「論理的」の反対の言葉は「感覚的」と言えるでしょう。「抽象的」の反対の言葉は「具体的」です。ロジカルシンキングでよく使う表現が「事実」と「意見」。「事実」の対となる言葉は「意見」です。

「最近、上司から怒られることがすごく多くなったように思う。でも……これって事実だろうか、意見だろうか。そういえば『最近』っていつからいつまでだろう? 今年に入ってからかな。『多い』というのは、何と比べて多いんだろう?」

反対の言葉がわかると、「問い」のレベルがアップします。「事実」と「意見」との違いを知るための基準が必要になり、それを考えるようになります。それが「客観的なデータの有無」だとわかれば、「事実」なのか「意見」なのかが判別できるようになります。

その他にも「偶然」なのか「必然」なのか。情報を「発散」させているのか「収束」させているのか。その解決策は「帰納的」なのか「演繹的」なのか。その問題は「設定型」なのか「発生型」なのか。

「愛」の反対は「憎しみ」ではなく「無関心」と言われます。家族や仕事、社会、お客様、部下、商品、地域……。いろいろな物事を思い浮かべ、最近関心を向けてないと思えば、そこに向けるべき「愛情」が減ってきていると認識してもいいでしょう。ロジカルシンキングを鍛えるうえで、反対の言葉を考える習慣は有効です。ぜひ試してみてください。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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