【反抗期とは何か? どうやり過ごせばいいのか?】を発達心理学に詳しいカウンセラーがお教えします。
こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。
今日は、「反抗期とは何か? どうやり過ごせばいいのか?」というテーマでお話したいと思います。
はじめに。
反抗期とは、子どもの発達の過程で、拒否や否定の態度・行動が、数多く出現する時期を言います。普通は、3~4歳の時期と12~19歳の時期、2回訪れます。前者を第一次反抗期、後者を第二次反抗期と呼びます。
第一次反抗期の子どもは、周囲にいる年長者に対して、すべて「いや!」といって反発し、指示や命令をわざと無視したり、逆のことをやったり、何かにつけ自分の意志を強く主張します。これは、子どもの自我が芽生え始めた証拠です。
子どもは、3歳ぐらいまでは、自分の力で出来ることが限られ、ほとんどのことは養育者の手でやってもらっていました。けれど、3歳を過ぎるようになると、運動能力の発達と共に、自分の手足を思うままに使えるようになります。すると、何事も自分でやってみようとする欲求が高まります。そうなると、大人の世話や干渉は、子どもにとって一種の圧力と感じられ、これをはねつけようとする思いから、「いやいや!」を連発するのです。これが第一次反抗期の正体です。
いっぽう、第二次反抗期は、反抗の対象が、自分を取り巻く伝統的な慣習や権威などに対する反抗となります。よって、親や先生などに対する反抗は、その年長者の背後にもつ旧来の権威への反抗なのですから、権威をかさに着ることのない年長者や理解のある先輩や年長者には、むしろ全面的に信頼を寄せることもあります。
それと、第二次反抗期のもうひとつの側面は、異性に対する反抗です。青年期に入ると、急激な身体的変化、とりわけ性的成熟に直面して、児童期からの連続性が破壊され、大きな不安を覚えるようになります。そこで、男の子は母親に対して、女の子は父親に対して、自分の心の平穏を保つため、距離を大変に置こうとします。伝統的な慣習や権威に対する反抗、異性に対する反抗、これが第二次反抗期の正体です。
第一次反抗期も第二次反抗期も、強い弱いはありますが、子どもの自我の発達においては、不可欠な現象です。実際、意志薄弱な大人の多くは、第一次反抗期を経験していないと言われています。
第一次反抗期では、幼児は、反抗を通して、すべてが自分の思いどおりになるものではないということを知り、他人の立場に立ったり、他人の意図を推測したりすることができるようになるのです。
また、「自分は、何が好きで何が嫌いか?」「自分は、何がしたくて何がしたくないのか?」よくわからない…という大人の多くは、第二次反抗期を経験してないと言われています。第二次反抗期では、青年は、反抗を通して、大人からもらった価値観をいったん捨てて、自分なりの価値観を築き上げ、自分らしさを獲得できるようになるのです。
さて、そんな反抗期を迎えた幼児や青年に、私たち大人は何が出来るのでしょうか?
ひとつめは、放っておくことです。
感情的にならないことが大切です。ある程度ほうっておいて、助けを求めてきたら、皮肉や嫌味を言わず、気持ち良く助けてあげることです。追いかけると、さらに反抗が強くなるので、取りあえず放っておきましょう。
ふたつめは、話しかけてきたら、耳を傾けることです。
子どもが話しかけてきたら、子どもの話に耳を傾けましょう。「さっきは、無視していたくせに、調子いいなあ」なんて思わないことです。否定せず、真剣に、子どもたちの話を聴きましょう。
以上です。今言った2つが、子どもの反抗期を乗り越えるコツです。
子どもは、さっきまで大人っぽく振舞ったかと思えば、急に子どもっぽく振舞ったりと、結構忙しいものです。そんな子どもに振り回されないようにしましょう。子どもは、子どものペースで大人になっていきます。私たち大人は、そんな子どものペースを大切にしてあげましょう。
最後に、怒らず焦らず追いかけず、悠然とした態度で子どもに接する、そのためには、夫婦仲がいいことが大切です。夫婦仲良く、手と手を取り合って、子どもの反抗期を見守っていきましょう。
そうすれば、子どもはやがて、反抗期から抜け出すものです。ひとまわり成長した子どもを見ることは、親からすると、ちょっぴり淋しくもあり、非常に楽しみなことでもありますね。
今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。
この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。