Yahoo!ニュース

「もうちょっといい戦いができるようにしっかり準備したい」2年連続で藤井王位に挑戦する豊島九段コメント

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

豊島将之九段「(挑戦者決定戦、池永天志五段戦は)途中からかなり玉形が危ない形になってしまったので、あまり自信はなかったです。ちょっと攻めを呼び込みすぎてたような気もしていました。(中盤は)指しててもちょっとよくわからなくて。形勢判断がわからなかったです。(自玉が)かなり危ない形になってしまったので、自信はなかったんですけど。まあでも、意外と4筋に逃げ込んで難しかったのかもしれないですけど、ちょっと指してるときは自信はありませんでした。後手玉がけっこう上部を手厚くして、詰むか詰まないかみたいな戦いになってしまいがちなので、ちょっと読み切れてはなかったですけど。(155手目、受けに)▲3八桂と打って、いけそうな感じがしました。▲3八桂と打って△3六馬▲2七銀みたいな感じで(自玉に迫る相手の)馬を追っていく感じになったので。そのへんでまあ、いけそうかなと思いました。(今期王位リーグは4勝1敗で紅組優勝)リーグ戦もけっこう苦しい将棋が多かった印象で。勝った将棋も内容的には負けていたような将棋もありましたし。負けた将棋(佐々木大地七段戦)はかなりひどい内容だったので。内容以上に成績があったという感じでした。(印象に残った対局は?)ああ・・・(小考)。うーん、いや、どれかっていうこともないですけど、どの対局もけっこうきわどい将棋が多かったので。この一局っていうのはないですけど。(前期に続いて藤井聡太王位に挑戦)しっかり準備をして、いい内容の将棋を指せるようにしたいというのと、前回は1勝しかできなかったので、そうですね、もうちょっといい戦いができるように。あと1か月弱ぐらいあると思うので、しっかり準備したいと思います」

池永天志五段「出だしはちょっと自信のない戦いだったんですけど。ずっとでも難しい将棋で。形勢はずっとよくわからなかったんですけど。たぶん終盤に入ったあたりのなんか折衝でちょっと間違えて。終盤戦はずっと苦しいのかなと思いながらやってました。注目される舞台での対局だったので、熱戦になったのはよかったかなと思います。(予選、リーグを振り返って)けっこう負けな将棋を拾ったこともあったんですけど。成績に関しては自分にしては上出来だったかなと思います」

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

松本博文の最近の記事