住んでいる場所や性別で大きな違いを見せる自家用車保有の理由
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00065294/top_image.jpeg?exp=10800)
地方と都市部、男性と女性
機動力の高さや運搬性などから、移動手段としては最上級クラスにある自家用車。一方でコストなどが所有ハードルとなるとの指摘も多い。現在の所有者はいかなる理由で手にしたのだろうか。ソニー損害保険が2016年11月に発表した調査「2016年 全国カーライフ実態調査」(※)の結果から確認していく。
次に示すのは調査対象母集団のうちマイカー(家族共有などではなく、自分自身専用の車)を買った、あるいは買ってもらったことがある人に対し、いかなる目的で取得したのかを複数回答で尋ねた結果。地方の回答上位10位で項目を抜粋している。なお今件における都市部は市・区における人口ランキングの上位都市(1位~8位)、具体的には北海道札幌市・東京都23区・神奈川県横浜市・愛知県名古屋市・京都府京都市・大阪府大阪市・兵庫県神戸市・福岡県福岡市と定義づけている。それら以外はすべてまとめて「地方」。
![↑ はじめてマイカーを取得した時の動機(都市部)(2016年、複数回答、マイカーを所有した(自分専用車として買った・買ってもらった)事がある人限定、複数回答)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00065294/image01.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
![↑ はじめてマイカーを取得した時の動機(地方)(2016年、複数回答、マイカーを所有した(自分専用車として買った・買ってもらった)事がある人限定、複数回答)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00065294/image02.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
まず都市部。トップは生活費需品との認識で、続いて趣味やレジャーに便利、通勤・通学に必要、行動範囲が拡大するからと続く。男女別では女性の生活費需品感が極めて強く、男性の娯楽志向の高さとは大きな違いが出ている。今件は単なる性別のみの仕切り分けで未婚・既婚や子供の有る無しまでは区分されていないが、多分に既婚者(で子供持ち)における、子供の送迎や買い物などの便宜性を考慮し、マイカーを所有したものと考えられる。
地方でも基本的に男女の差異の傾向に変わりはない。しかし都市部と比べて必要不可欠なツールとしての選択肢の回答率が高く、地方居住者にはマイカーは生活必需品であるとの認識が強い。また縦軸は両グラフでそろえてあるが、概して地方の方が回答率が高いことから、地方のマイカー所有者は多数の必要な理由に半ば迫られて取得した者と考えられる。
なおマイカーに対するあこがれや、デートのツールとしてとの理由を挙げた人は少なめ。「デートに便利」との都市部男性の回答率が最大だが、それでも3割にすら届かない。
都市部と地方の比較をもう少し詳しく
都市部と地方を別々のグラフに仕立て、それぞれの居住地域の事情を確認したが、次は都市部と地方との直接比較を行う。地域によるマイカーへの需要内容がはっきりと出る結果が見えてくる。また、地方の回答値から都市部の回答値を引いて、その差を算出した結果も併記しておく。
![↑ はじめてマイカーを取得した時の動機(都市部/地方)(2016年、複数回答、マイカーを所有した(自分専用車として買った・買ってもらった)事がある人限定、複数回答)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00065294/image03.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
![↑ はじめてマイカーを取得した時の動機(地方-都市部、ppt)(2016年、複数回答、マイカーを所有した(自分専用車として買った・買ってもらった)事がある人限定、複数回答)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/iwiz-yn/rpr/fuwaraizo/00065294/image04.gif?fill=1&fc=fff&fmt=jpeg&q=85&exp=10800)
併記グラフでは上位2項目、必要不可欠との選択肢において、地方居住者の願望が極めて強いことが改めて認識できる。そして都市部と地方の回答値の差異を算出したグラフでは、男女ともに上位2項目に関する地方の強い需要、それ以外では都市部がいくぶん高めに出ている実情がうかがえる。ただし「マイカー所有は当然」の項目では男性は変わらず、女性は地方の方が高い。
地方でトップと第2位以外の回答値が低めなのは、その2選択肢がすべてであり、残りの項目はエンタメ色が強いか、広義としては内包されるとの認識があるのかもしれない。例えば「子育てに便利」は子供持ちの世帯ならば「生活必需品」に含まれていると考えられてもおかしくはない。
「地方と都市部で自動車に対する見方、必要性は大きく異なる」との話はよく耳にするが、その一端を今件調査結果から知る事ができよう。
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